レッドブルが不振のペレス残留を決めたのはなぜなのか。シーズン後半に復調できなければ今度こそ?
■サポート体制の改善でペレスの調子は上向く?
後任ドライバーの決め手に欠けることに加え、レッドブルが最近のレースでペレスが苦戦している理由を探っていくうちに、すべての責任をペレスの肩に押し付けるべきではないとの思いが募っていったようだ。 確かに、イギリスGPやハンガリーGPの予選Q1でクラッシュしたようなミスは彼自身が招いたものだが、それと同様に、レッドブルがペレスにより良い結果をもたらすためにもっと手を尽くすべきだったのではないかと感じてもいるようだ。 ホーナーとマルコの話し合いの結果のひとつは、レッドブルがペレスに必要なものをもっと与える方法を見つけることができれば、新戦力を投入するよりも結果を出すためのより良いルートが見つかるというものだった。 特にベルギーGP決勝後のホーナーの口調は注目に値する。彼はペレスに必要なのはもっと良いサポートであり、サポートを打ち切ることではないと示唆したのだ。 「チェコ(ペレス)がもがき苦しんでいるのは誰にとってもフラストレーションだ。彼が苦戦しているのを見たい人はいないんだ」 「誰もが彼の成功を望んでいる。チームはずっと、そして今も彼を応援している。彼の置かれている状況を見るのはつらいし、誰もが成功を願っている」 ペレスに対するサポートの強化が今後どのような意味を持つのかは定かではないが、ペレスとチームを取り巻くすべてを根本から見直し、彼が完全に快適に過ごせるようにすることが含まれるようだ。 彼を取り巻くサポート体制、一緒に働く人々、そしてマシンの改善が含まれる可能性がある。ここ数ヵ月のアップデートの方向性がペレスに合っていないのだと広く理解されている。 ペレスが限界に挑むのにまったく違和感のないマシンを彼に与えることができれば、そしてそのパフォーマンスを最大限に引き出す最善の方法を知っているクルーと手を組むことができれば、結果はついてくるという予感を彼らは感じているのかもしれない。 夏休みに入り、約1ヵ月後のオランダGPに向けて一息つく時間がある今、ペレスを助けるための変更をし、彼が望むものが得られるよう準備することができるだろう。 ■夏休み明けはペレスの得意コースが続く ペレス続投のもうひとつの要因は、夏休み明けのF1カレンダーの内容で、これがペレスに有利に働くということだ。 ホーナー代表が月曜日にファクトリーで行なったペレス残留についての説明の中で、今後のレースはペレスが過去に”得意”としてきたレースが多く、ペレスの周囲で行なわれた変更が影響を及ぼすかどうかを確認する絶好の機会であるという事実に言及したことが明らかになっている。 実際、今後のレースのうちいくつかは、昨年彼が結果を残したレースがいくつかある。夏休み明けのオランダGPは昨年4位。その次のイタリアGPは2位、アゼルバイジャンGPは優勝と結果が出ているコースなのだ。 いずれもトリッキーなコースだとも言えるため、シーズン途中にドライバー交代をして戦う上で理想的とも言えない。