「極悪女王」「地面師たち」に続けるか…ドラマが絶好調の「ネトフリ」が次に手掛ける「向田邦子さんの最高傑作」
24年は絶好調
2024年に国内で制作、放送・配信されたドラマの中で、特に話題を集めたのが、いずれも動画配信サービス・Netflix(ネトフリ)で配信された「地面師たち」と「極悪女王」だった。 【写真を見る】令和版「阿修羅のごとく」4姉妹が勢ぞろい
綾野剛(42)と豊川悦司(62)がW主演の「地面師たち」は、2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとした新庄耕氏の原作小説のドラマ化で、7月25日に配信された。ネトフリは10月に発表した本年度第3四半期の決算で、配信公開から3カ月以内で1050万ビューを達成したことを公表している。また、詐欺グループのメンバーである、ピエール瀧(57)演じる元司法書士の後藤がたびたび発したセリフ「もうええでしょう」は、12月に発表された「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10入りを果たした。 先日渡米し、ハリウッドスターを目指すというお笑いタレント・ゆりやんレトリィバァ(34)主演の「極悪女王」は、1980年代の女子プロレスブームをけん引した最凶ヒール・ダンプ松本の知られざる半生を描いた。ダンプと同じ「全日本プロレス」に所属し、アイドル以上の人気を誇った「クラッシュ・ギャルズ」の長与千種とライオネス飛鳥、ダンプの後継者となったブル中野らが実名で登場。レスラー役の俳優は、約2年のプロレス特訓と肉体改造で徹底的に役を作り込んでリアリティーを追及した。作品の話題もあり、長期間にわたって各メディアが取り上げた。 「2024年にネトフリ作品が大ブレイクしそうな前触れはありました。まず、2月15日に配信された賀来賢人さんが主演・原案の『忍びの家 House of Ninjas』が話題に。そして、実写化は難しいと言われていた人気コミックの実写版で鈴木亮平さんが主演した4月25日配信の映画『シティーハンター』は、驚くほどの再現度を見せつけた。これまで、ネトフリの日本国内のランキングは韓国ドラマに席巻されていましたが、ようやく、国内の作品が注目されるようになりました。作品にかける予算が違い過ぎるので、もはや、NHKや民放各局は太刀打ちができないレベルです」(放送担当記者) そして夏を迎え、「地面師たち」が脚光を浴び、その盛り上がりが一段落しようとしているところに「極悪女王」の配信がスタート。絶妙な“リレー”で両作品がブームとなった。一方で、両作の合間の8月29日には、ブレイク中の見上愛(24)主演で、「男女交際禁止」の校則が制定された超エリート高校が舞台のオリジナル学園ドラマ「恋愛バトルロワイヤル」、そして直近の11月14日からは、有村架純(31)と坂口健太郎(33)がダブル主演のラブストーリー「さよならのつづき」が配信されたが、前2作のようなブームを巻き起こすほどの話題にはならなかった。 「両作品とも、どこか既視感のある作品だったので、ネトフリユーザーの視聴意欲を煽ることにならなかったのでしょう。ブームになった2作品はリアリティーと共に、手の込んだ詐欺や熱狂的な女子プロブームという、どこか“おとぎ話”のようなストーリーが、ユーザーたちの視聴意欲を煽りました。『忍びの家』も『シティーハンター』もそうですが、『地面師たち』と『極悪女子』は、これまでリリースされた作品にはない、圧倒的なオリジナリティーがありました。それまで視聴ランキングを席巻していた韓国ドラマにはない魅力が詰まっていたのです」(目出・記者) こうしたとんでもないヒット作が出て“ハードル”が上がったことにより、「国内コンテンツのヒット作はもう出ないのではないか」と、心配する関係者もいるという。