「極悪女王」「地面師たち」に続けるか…ドラマが絶好調の「ネトフリ」が次に手掛ける「向田邦子さんの最高傑作」
25年に配信するのはあの名作
そんな中、25年1月9日から配信されるのが、1979年と80年にNHKで放送され、81年に飛行機事故で亡くなった向田邦子さん脚本のドラマをリメークした、「阿修羅のごとく」である。 向田さんの最高傑作として名高い名作だが、かつて新人時代に向田さんと共に仕事をしたプロデューサーの八木康夫氏(74)が企画し、「向田さんを尊敬し、一番影響を受けた」と公言してきた是枝裕和監督(62)が脚色、編集も担当する。 今や日本を代表する名匠となった是枝監督だが、ネトフリでは一昨年1月に配信された、花街で共同生活をする舞妓たちの日常を食生活を中心に描く「舞妓さんちのまかないさん」で監督・脚色・編集を手掛けている。 「阿修羅のごとく」は年老いた父の愛人問題をきっかけに、四姉妹の娘たちが抱える葛藤や秘密が次々とあらわになるさまが描かれる。物語の舞台は原作と同じ1979年の日本。主人公となる四姉妹を、宮沢りえ(51)、尾野真千子(43)、蒼井優(39)、広瀬すず(26)が演じる。さらに、國村隼(69)、松坂慶子(72)、本木雅弘(59)、松田龍平(41)、内野聖陽(56)、高畑淳子(70)、夏川結衣(56)ら豪華キャスト陣が脇を固める。 「尾野さんと広瀬さんはこれまで是枝監督と仕事をしていますが、宮沢さんと蒼井さんは初の是枝組です。ここ数年、宮沢さんと蒼井さんは出演作品を厳選しており、今回のオファーを受けたということは、よほど魅力的な作品だったのでしょう。YouTubeで解禁された予告映像を見る限り、令和の時代にもかかわらず、しっかりと昭和感をよみがえらせ、テレビや映画ではコンプライアンスの関係で描けないようなシーンもあるよう。これもネトフリの資金力がなせる技でしょう」(映画業界関係者) かつて、NHKのドラマ版で四姉妹を演じたのは、故加藤治子さん、故八千草薫さん、いしだあゆみ(76)、風吹ジュン(72)。そして03年に公開され故森田芳光監督がメガホンを取った映画版では、大竹しのぶ(67)、黒木瞳(64)、深津絵里(51)、深田恭子(42)が演じた。いずれも名優たちが四姉妹を演じたが、ネトフリ版でも各年代での演技派をそろえることになった。 「もともとネトフリは、若い視聴者層が中心でしたが、『極悪女子』では当時、女子プロレスにハマっていた中高年層を取り込むことに成功し、ブームに火が付きました。『阿修羅のごとく』は、さらに上の年代が興味を持ちそうなコンテンツです。配信後に一気に話題になれば、新たな視聴者層の開拓もできそうです」(同) 配信後の1月下旬には、四姉妹の表情や1979年の舞台を感じさせる場面写真を収めた写真集『写真 阿修羅のごとく』の発売が決定している。ドラマを見た人もそうでない人も楽しめる写真集だというが、その売れ行きは、ドラマがヒットするかどうかにかかっている。
デイリー新潮編集部
新潮社