生成AIが盛り上がる中でアップルが出した「Apple Intelligence」、ライバルのAIとは異なる4つのポイント
このような機能は、ChatGPTのような質問を入力しての単独アプリケーションとしての使い方だけではなく、デバイス上で動くアプリケーションの1つの機能として利用することができる。 例えばメールアプリケーションの中で、相手に伝えたい文章を粗くてもいいので書き込んでおき、その清書を依頼すると、エレガントなビジネスメールとして通用する文章に仕上げてくれたりする。いくつかの候補が出てくるので、その候補から選んだり、あるいは文体のトーンを変更することも可能だ。
メールの場合、冒頭の何行かがプレビューとして表示されることが一般的だ。しかし、必ずしもメールの冒頭部分に核心となる内容が書かれているわけではない。 Apple Intelligence に対応する新しいメールアプリでは、メッセージの内容を把握したうえで、要約をプレビューとして表示するようになっている。これによって実際にメールを開く前に、その内容が優先順位として高いのかどうかを自分自身で判断することが可能だ。
現時点のデモンストレーションでは、アップル純正アプリからの利用方法しか提示されていないが、APIで提供されているため、さまざまなアプリがこの機能を利用し、今後より賢く使えるようになっていく。 ただし、お伝えした機能はApple Intelligenceのごく出発地点でしかない。OS全体がAI対応となり、より賢い機能を実現できる。それがSiriの進化にも見られる。 ■「Siri」が遂げた大幅な進化 これまでのSiriは、言葉の文脈をたどることが苦手だった。しかし、新しいSiriはApple Intelligenceを用いることで、その弱点を克服している。
具体的には、アップルのデバイス上で動作するさまざまなアプリケーションが取り扱う情報を組み合わせ、複合的に判断し、最終的に答えを生み出す仕組みになっている。例えば、次のようなことだ。 「娘の演劇を観に行くには何時に出発する必要があるか?」という質問に答えるためには、娘が誰なのかを特定し、そのうえで娘とのやりとりの中から予定を決めるためのやりとりを探し、さらに道順を検索しなければならない。 スケジュールはもちろん、移動手段や交通状況などの推測や検索が必要だが、一般的なチャットサービスではこれらを行うことは不可能に近い。