サポーターは泣いている? J2リーグ、期待を裏切ったチーム(3)低迷も監督解任なし。守備崩壊に陥った九州クラブ
2024シーズンの明治安田J2リーグは折り返し地点を過ぎた。前半戦(第19節まで)の結果を振り返ると、いわきFCやレノファ山口FCなど昨季から大きな飛躍を見せたチームがある一方で、長く不振に喘いでいるチームも複数ある。今回は、今季のJ2リーグ前半戦で残念ながら低調な戦いぶりとなっているクラブを紹介する。 ※情報は6月20日時点の『transfermarkt』参照
ロアッソ熊本(現在17位) 前半戦順位:16位 前半戦成績:19試合5勝6分8敗 ロアッソ熊本は前半戦に厳しい戦いを強いられたクラブの1つである。 その強みと弱みははっきりしている。前半戦19試合を終えて、リーグ戦の得点数は24。J2残留圏ギリギリの順位ではあるが、ゴールの数だけ見れば中位のクラブとさほど変わらない。これは安心できる点だ。 一方で、課題となっているのが失点数の多さである。前半戦はリーグワースト2位タイとなる33失点を喫した。不安定な守備が勝ち点の取りこぼしを招き、残留争いに巻き込まれている。 このような状況を受けて、チームを率いる大木武監督はいくつか修正を加えた。その1つがゴールキーパーの変更だ。第13節鹿児島ユナイテッド戦(2-2)から田代琉我に代わって佐藤優也が守護神を務めている。38歳のベテランGKがゴールマウスを守るようになってから、チームのディフェンスは安定感が増すようになった。 加えて、指揮官はシステムも変更。第15節横浜FC戦(0-0)で1トップ2シャドーの形をとる[3-4-2-1]を採用し、公式戦8試合ぶりのクリーンシートを達成している。 2つの大きな修正を受けて、守備には改善傾向が見られ、熊本は復調しつつある。大木監督を解任せず、一貫した戦い方を続けてきたことが、大崩れせずに前半戦を駆け抜けることができた要因ではないだろうか。J2残留へ向けて予断を許さない戦いが続くが、そのプレッシャーを力に変えて後半戦を戦うことができるだろうか。
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