《ブラジル》墓地で土葬した遺骨が露出=市営霊園でずさんな管理発覚
市会計検査局(TCM)の監査がサンパウロ市市営霊園で行われ、土砂などの中から遺骨や棺の破片などが発見され、不適切な管理が明らかになった。この問題は市内霊園を運営する四つの管理会社すべてが関与しており、健康リスクを伴い、規則違反が指摘されていると27日付フォーリャ紙が報じた。 監査は6~14日にかけて実施され、27日のTCM会議でロベルト・ブラギン顧問によって報告書が公表された。ブラギン氏によれば、地中に土葬された遺体が多く、それが何らかの理由で地表に露出していることが確認された。 市の霊園管理条例に対する違反が発覚し、遺体に対する冒涜罪の証拠が浮かび上がった。この罪には最大3年の懲役と罰金が科せられる可能性がある。 サンペドロ霊園では建設廃材用のゴミ収集容器の中から、遺体搬送用のビニールシート、棺桶の破片、遺体識別のタグが見つかっており、遺体の位置が不明となった可能性を示唆している。 環境基準からすれば、遺体の埋葬や掘り起こしから出る廃棄物は、他のゴミと混ざらないように密閉容器で保管しなければならない。ブラギン氏によると、運営会社は遺体が埋められた場所で工事を行う際、事前に遺体を掘り起こすことなく作業を進めた疑いがあるという。 ヴィラ・フォルモーザ霊園では、監査員が掘削作業中に遺骨が土と一緒に運ばれていることを確認したが、運営会社の担当者がその遺骨の保管先を説明することが出来なかったという。現地の管理者は「これまでに掘り起こしたと届けられた袋の数が、実際に掘り起こされた遺体の数に比べて極めて少なかった」としている。 複数の霊園で、掘削された土の壁の中に露出した遺骨が確認された。TCMは発見された遺品が「不適切な場所で行われた掘削作業が、遺体を無断で掘り起こし、遺骨が匿名で廃棄される結果を招いたことを示している」と指摘した。 監査の結果に対し、市内の霊園運営を担当する企業は異なる見解を示している。コンソラーレ社は環境基準を遵守しているとした上で、昨年からはコンクリート製の納骨堂を建設し、浅い埋葬を行わないようにしていると述べた。 同社は、過去に行われていた埋葬作業が原因で、身元不明の遺骨が見つかったことは認めており、これらの遺骨については専門の掘り起こしチームを配置し、適切に管理していると主張した。 一方、ヴェラールSP社は、同社が管理する霊園では土壌の中で遺骨は発見されていないと述べ、不適切に処理されたビニールシートや棺桶の破片については、個別のミスによる一回限りの事例だと説明した。遺骨の取り扱いや掘り起こしに関しては適切に行われており、適切な袋に入れて処理されていると主張。さらに、同社は監査委員会を設置し、適切な業務慣行を促進していると強調した。