【現役ドラフト】パ・リーグの注目投手9人を紹介 サブマリン、二刀流…高い能力を持つ“宝”がズラリ
元ドラ1左腕に通算41勝右腕も
●二木康太 (投手/29歳) 通算41勝の実績を持つ二木康太。直近2年間は一軍での登板がなく、二軍での調整が続いている。今季は開幕から主に先発として登板を重ね、8月以降はリリーフに専念して計8回2/3を2失点に抑えた。試行錯誤が続く中でも、与四球率1.09と持ち味の制球力は健在である。ストレートの平均球速が139.3キロにとどまるなど、球威不足である点は否めないが、打者がタイミングを合わせにくいフォームや投球術を評価する球団が現れるかもしれない。 ●上原健太 (投手/30歳) 昨季は先発ローテーションの一員として防御率2.75をマークした上原健太。大きな期待を受けた今季は防御率9点台と振るわず、登板は7試合止まり。二軍では70イニングを投げて防御率2.57を記録したが、山崎福也の加入や金村尚真といった若手の台頭に後れをとる形となった。上原といえば野手としてのポテンシャルも評価されており、近年は投打二刀流に挑戦している。セ・リーグのチームにとっては、ピッチングだけでなくバットでの活躍も見込めるかもしれない。 ●福田俊(投手/27歳) スライダーとフォークで空振りを量産するリリーフ左腕の福田俊。昨季は29試合に登板して無失点のままシーズンを終えるも、今季はわずか2試合の登板にとどまった。二軍では29試合に登板して防御率3.21をマーク。計28イニングで33奪三振と高い奪三振能力を示しており、特に7月以降の奪三振率は13.11と特筆ものだった。走者を置いた場面では被打率.192を記録しており、火消し役として獲得に乗り出す球団があるかもしれない。 ●板東湧梧(投手/28歳) 21年にはリリーフとして44試合に登板し、防御率2.52をマークした板東湧梧。翌年には先発として8月以降に3勝を挙げるなど、さまざまな役割をこなす器用さが特徴だ。通算の投球回は216回1/3を数えるも、今季は背中の肉離れなどもあって一軍に昇格できず。二軍では65イニングを投げて与四球率0.83と制球力の高さが光った反面、ストレートの平均球速が前年から6キロ低下するなど、極度の出力不足に陥っている。本来の球威を取り戻せるようであれば、先発からリリーフまで幅広い起用に応えてくれるはずだ。 ●田浦文丸(投手/25歳) 昨季は左のリリーフとして45試合に登板した田浦文丸。今季は左肩のコンディション不良のため実戦復帰が夏場まで遅れ、登板は4試合にとどまった。二軍では好成績を残しており、投球に占める空振りの割合は16.7%を記録。これはウエスタン・リーグで投球数100以上の178投手中2番目の高さだった。ストレートの球速こそ140キロ台前半にとどまるが、変化球のキレは一級品といえる。体調が万全であれば、来季は一軍の主力として活躍が期待される存在だろう。