SDGsの厳しい現実、メディアの役割…「私たちがSDGsプロジェクトを始めた理由」
本アワードの外部審査員を務めた蟹江教授は、国連事務総長に任命された世界の独立科学者15人のうちの1人として、4年に1度の「持続可能な開発に関するグローバルレポート(GSDR)」執筆に携わり、昨年9月に2023年版が公表されている。 授賞式でのスピーチでも述べていたが、SDGsの厳しい達成状況を伝えつつも、「変革を加速させなければならないというのがGSDRのテーマ」だという。「そしてそのためには、事例をもっと積み重ねていく必要がある」 昨年11月に行った本誌インタビュー(「蟹江憲史教授が国連から任命されて書いた、SDGs『2030年まであと7年』の現実と希望」)でも、蟹江教授はこう語っている。 「例えば電気自動車(EV)は、この5年程度で急速に普及した。ノルウェーでは新車販売台数の20%がEVだったのが、今では80%がEVに置き換わっている......変革は必要であり、そして可能だと考えている」 日本でSDGsの事例をさらに増やし、地球を持続可能にするための歩みを加速させる。そのためにニューズウィーク日本版は、メディアとしてできることを志向し、「SDGsアワード」プロジェクトを立ち上げ、推進してきた。 4月からはプロジェクトの2年目が始動する。ご期待いただきたい。 森田優介(ニューズウィーク日本版デジタル編集長)