最難関中学受験塾「Z会エクタス」はどんな塾? 2024年入試総評と合格に向けた指導方針をレポート
家庭での日常会話からも学びが期待できる
次に各科目の分析がされたが、この記事では細かい講評ではなく各科目の講師が伝えたいことを取り上げる。 まずは国語だ。算数の場合、講師がヒントを与えると生徒が「わかった!」と問題を解けることがあるが、国語はそうではない。そのため対策も大変だが、国語では高点数を目指すよりも、失点しないことが大切だ。 男子校や桜蔭では記述が多いため、その対策として日常的に会話をすることが必要である。例えば 「宿題をやった?」聞いてても「やった」「やってない」の二択の答えになる。しかし、「今日は学校でどんな授業を受けたの?」などと声掛けをすると、子どもは自分の言葉で説明することになる。そういった日々の生活での会話も大切にしてほしい。 算数は先に述べたように、差がつきにくい入試傾向だった。ほとんどの受験生が解けない難問と、解けて当然の問題のみの組み合わせが多かったからだ。そうなると、必要になるのは問題を取捨選択する能力だ。解けない問題に時間を費やすことはしないようにしたい。解ける問題を解き、それらを見直すことが大切で、そのための時間配分を正しく行う力も必要である。 社会では、知識をどう使うかが問われる。今の受験生たちはスマートフォンが普及してから生まれているから、それ以前のことは肌感覚としてわからないことも多いだろう。そうした自分が知らない過去の世界を想像できるようにしたい。そのためにも、家庭で「昔はこうだったんだよ」というような会話もしてほしいという。 理科では、問題を正しく読み、理解し、活用することが大切だ。問題の隅から隅まで条件を拾い上げて、それを駆使して解いていく。例えば「蜃気楼」ならば、名前を知っているだけではなく、どういう原理で発生し、長く見えたり短く見えたりするのはなぜかまでを理解する必要がある。単純な暗記にとどまらず、本質を把握してないと太刀打ちできないのが難関校の理科である。 入試問題分析の間には、今年、筑駒と桜蔭に合格した生徒が登壇し、体験記を読み上げた。筑駒に合格した生徒は1月入試で残念な結果になったが、その見直しをしながら勉強を続けたことが合格につながった。桜蔭に合格した生徒は秋の模試で伸び悩んだときも動じず、勉強の仕方を変えなかったことが合格につながった。さらに、うまくいかないときも自分を信じ、ブレずに努力することが大切だと発表した。
Z会エクタスの入試報告会に参加して
大手塾の報告会は幅広い層に向けて行われるので、難関校の問題も、さほど難しくはない問題を取り上げることも多い。一方、最難関校対策専門塾であるZ会エクタスの報告会では、ほかでは扱わなかった難問も取り上げられた。そうした難問の分析や解説にも保護者たちは真剣に聞き入っており、最難関校を目指す家庭の熱意に触れる貴重な機会となった。
ダイヤモンド教育ラボ編集部