「ニトリ」にファストリ出身の永井氏「服以上の可能性」、海外は年100~200店舗出店へ
ニトリホールディングス(以下、ニトリHD)は創業56周年を迎えた現在、「第2期・30年計画」の真っ只中で、2032年に世界で3000店舗(うち、国内1000店舗、海外2000店舗)、売上高3兆円(国内2兆円、海外1兆円)を目標に掲げる。 【画像】「ニトリ」にファストリ出身の永井氏「服以上の可能性」、海外は年100~200店舗出店へ
グループの店舗数は2023年12月末現在、国内で36店舗、海外で41店舗純増し、全社で979店舗となった。今期末には前期から99店舗増え、1001店舗(うち、国内822店舗、海外179店舗)を計画する。今年3月に福井県敦賀市に出店する「ニトリ敦賀店」のオープンで1000店舗を達成する予定で、2月1日から「もうすぐ世界で、グループ1000店舗達成記念祭」を実施中だ。
とくに、海外事業の強化と国内の堅実な成長戦略は不可欠だ。2月1日からは新体制がスタートした。ニトリHDでは、「海外事業領域の拡大と、意志決定の単純化・迅速化、実行スピードの向上を図る」と白井俊之・代表取締役社長兼最高執行責任者(=COO、68)。武田政則ニトリHD取締役(58)が副社長に昇格し、グローバル商品本部本部長兼グローバル販売事業推進室室長海外販売事業管掌として海外事業に専念する一方、兼務していた子会社のニトリ社長からは離れた。
子会社ニトリでは、「国内事業は持続的な成長発展と企業価値のさらなる向上に努める」と白井社長。創業者である似鳥昭雄ニトリHD代表取締役会長(79歳)が、2014年以来、10年ぶりにニトリ社長に復帰。同時に、営業企画室長を務めていた永井弘ニトリHD常務執行役員(59)がニトリ取締役専務に昇格し、国内事業を管掌する。
似鳥会長の「社長代行」「後継者の一人」として活躍を期待される永井常務執行役員は、京都府出身で、大阪大学を卒業後、トヨタ自動車でマーケティングや現地生産車を調達するサプライチェーン構築などに従事。「異業種合同プロジェクト『WiLL(ウィル)』」にも参加した。2001年に「ユニクロ(UNIQLO)」を擁するファーストリテイリングに入社し、マーケティングや生産などを担当。ファーストリテイリング執行役員に就任し、米国駐在なども務めた。ニトリには2015年9月に入社。店舗勤務や店長職など現場経験も踏んだ後に、営業企画室室長を務めてきた。