「地域回復や地域再生にもつながる」伝統的林業・樵木林業復活へ美波町の男性の挑戦【徳島】
海外で増えているという備長炭の需要
徳島県佐那河内村にあるヨーロッパ料理の店です。 調理にはガスや電気だけでなく吉田さんの備長炭も使っていて、なくてはならないものになっています。 (ラームス 錦野真弘オーナーシェフ(30)) 「シカとイノシシをミンチにして、つくねのようにしたもの。炭の場合は遠赤外線があるのでじっくりとじわじわと火が入っていきます。徳島県産のワイン用ブドウの枝を。これは電気やガスではできないですね、こういったものを入れることが。備長炭なので入れることができて、香りをつけることができます」 イタリアで修業経験があるオーナーシェフの錦野真弘さんは、今、海外で備長炭の需要が増えていると話します。 (ラームス 錦野真弘オーナーシェフ(30)) 「炭に関したら今、どんどん(需要が)増えてますね。なのでイタリア人の友人から炭の使い方教えて?とか、どんな炭台がいいの?とか、けっこう聞かれますね。なので備長炭って言ったら、向こう(海外)の人にも通じます」
コンセプトは「地炎地食」
吉田さんは、地域の燃料で地域の食材を調理して味わう「地炎地食」をコンセプトに販路を広げています。 これまで、県内外の飲食店など10店舗に3トン以上を出荷してきました。 (四国の右下木の会社 吉田基晴代表取締役(52)) 「炭は10種類以上、規格があります、長さ、太さ、形状によって。飲食店によって使いたい炭が違う。店の営業時間の長さとか、調理人の慣れによって使いたい炭が違うので」 吉田さんの会社では、1箱12kgを1万5000円から2万円で販売しています。 吉田さんは、樵木林業が復活することで森に価値を見い出し、関係人口が増えることを期待しています。 (四国の右下木の会社 吉田基晴代表取締役(52)) 「森で食べられる人、森の周りで暮らせる人が増えると、少しでも県南の人口減少とかにもプラスに働くんじゃないかなというふうに思って。樵木林業の復興にかける想いというのは、地域回復とか地域再生にもつながるんじゃないかなと」 地域活性にかける男の熱い想いが、過疎の町に新たな道を切り開くかもしれません。