株爆上がり!? 欧州、今季の“サプライズ”監督(5)久々の監督業で快挙! 下位が当たり前だったチームを変えたのは?
5月に入り、欧州の23/24シーズンも佳境を迎えている。今季は期待通りの成績を収めたビッグクラブももちろんあった一方で、シーズン前の予想を裏切り大躍進を果たしたクラブも目立った。今回は、23/24シーズンの欧州で旋風を巻き起こした監督をピックアップして紹介する。
エリック・ロワ(スタッド・ブレスト/フランス) 生年月日:1967年9月26日 就任期間:2023年1月~ 23/24リーグ戦成績:33試合16勝10分7敗(4位) 昨季リーグ・アンで低迷していたスタッド・ブレストは昨年1月にエリック・ロワを監督に招聘した。ロワは2010年から1年ほど同じくフランスのニースで監督を務めた経験があるものの、それ以降はRCランスやワトフォードでスポーツディレクターに就任しており、監督業からは少し離れていた。 19/20シーズンにリーグ・アンに昇格したブレストは、それからリーグの中位や下位をさまよっていた。クラブの歴史上1部リーグで10位以内に入ったことすらなく、今年のチーム目標は1部残留だったはずだ。しかし、ロワのもと、第28節終了時点で2位に付けるなど、チームは躍進する。現在は4位に落ちたが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得の可能性を残している。 ブレストは前への意識がとても高く、細かいパスの中に時折ロングボールを織り交ぜながらボールを前進させる。右サイドの攻撃はとても強力で、カットインが魅力の右WGロマン・デル・カスティージョは、今季ここまで8ゴール8アシストと攻撃の中核を担っている。守備もとてもアグレッシブで、ボールを奪われた後ハイプレスでカウンターを狙っていく。アンカーのピエール・レース=メルが全体のバランスを取りながら安定した守備を構築し、ここまで34失点とリーグで3番目にすくない堅守を誇っている。 ブレストは資金力に乏しいチームであり、夏の移籍でも移籍金を伴った選手の獲得は2選手のみだった。そんな中クラブをCL圏内まで押し上げたロワは、リーグ・アンの最優秀監督賞を受賞。もちろんフロント陣も彼の功績を評価し、契約を来夏まで延長した。来季ヨーロッパの舞台でロワのもと、パイレーツ(ブレストの愛称)が暴れる姿が見られるだろう。
フットボールチャンネル