短鎖脂肪酸を増やす組み合わせ

健康のために腸内環境を整える「腸活」がトレンドとなる中、ビフィズス菌などの善玉菌が生み出す短鎖脂肪酸が、肥満予防や持久力向上といったプラス効果をもたらすとして注目を集めている。 【写真】上と下の画像ともにおなかの内部で黒く映っている部分が内臓脂肪 江崎グリコによると、酢酸、プロピオン酸、酪酸などに代表される短鎖脂肪酸は、善玉菌が食物繊維やオリゴ糖を取り入れることで作り出される。脂肪の蓄積を抑制したり、基礎代謝を高めて脂肪の消費を促進したりするという。腸内の悪玉菌を抑え、ウイルスや細菌から体を守る働きも示されている。 同社は令和4年6月に「タンサ脂肪酸プロジェクト」を立ち上げ、同社独自のビフィズス菌（GCL2505株）が健康にもたらす効果を研究。乳酸菌だけを含むヨーグルトより、GCL2505株と食物繊維の一種「イヌリン」を含むヨーグルトの方が、作られる短鎖脂肪酸が多いことが腸内細菌叢（そう）モデルでの試験により判明したという。 「短鎖脂肪酸を増やすには、ヨーグルトや納豆などの発酵食品をはじめ、水溶性食物繊維を含んだアボカド、オクラ、山芋、キウイなどを食べることがおすすめです」と江崎グリコ研究員の馬場悠平さんは話す。増やす組み合わせもある。血管や脳機能などへのさまざまなプラス効果を探る研究が世界中で進められており、その存在感はこれからも高まりそうだ。（取材協力　江崎グリコ）