珠洲―輪島、迂回路で崩落 国道249号、奇岩「鯖尾岩」付近
●寒波影響か、生活道路再び途切れる 珠洲市と輪島市の海岸線を結ぶ珠洲市仁江町の国道249号迂回(うかい)路で10日、奇岩「鯖尾岩(さばおいわ)」周辺の土砂が崩落したのを国土交通省能登復興事務所が確認した。寒波の影響とみられ、同事務所が復旧を急ぐ。迂回路は通行止めとなり、珠洲市大谷地区と輪島方面への生活道路が再び途切れ、住民は珠洲市街地方面に向かう峠越えの道か、半島東側を大きく迂回する県道の利用を余儀なくされる。 ⇒【地図】崩落現場 この迂回路は、昨年元日の能登半島地震による大規模な土砂崩れで通行不能となった国道の逢坂(ほうさか)トンネルの代替として、国交省能登復興事務所が隆起海岸の上や岬の周囲に整備し、昨年12月27日に開通した。波浪の影響を受ける恐れがあるとして、9日午後から通行止めとなっていた。 10日朝に関係者が確認したところ、隆起した海岸に整備した迂回路に土砂が崩落していた。能登復興事務所によると、鯖尾岩周辺は数千万年前の火山活動で降り積もった火山灰が固まった地質で、風雨や風雪による浸食を受けやすい。 この迂回路開通によって、輪島市境にある珠洲市真浦町と仁江町が結ばれ、震災後から続いていた真浦町の「飛び地」状態が解消されていた。大谷地区の住民にとっては、凍結の恐れがある峠道を避け、輪島市側へ買い物や通院できる唯一の道路となっていた。能登復興事務所は復旧に向けた調査を行っている。 サバの尾に似ているとして名付けられた「鯖尾岩」を含む仁江海岸には奇岩の風景が広がる。NPO法人「日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会」(兵庫県)が「日本の夕陽百選」に選定しており、珠洲市もホームページなどで紹介していた。