兵庫・香美町にカニの季節到来 ブランド「香住ガニ」でふるさと納税12億円 浜上勇人町長
兵庫県香美(かみ)町の浜上勇人町長が、18日、ラジオ関西の生放送に出演し、漁が解禁されたばかりの「香住ガニ」など、町の魅力を紹介した。 【写真】兵庫・香美町に「香住ガニ」のシーズン到来 活気あるセリの様子 香美町は、兵庫県北部、但馬地域の日本海に面した町。2005(平成17)年に、美方郡の村岡町と美方町、城崎郡香住町の3町が合併して美方郡香美町となり、2025年に町制20年を迎える。日本海側から香住(かすみ)区、村岡(むらおか)区、小代(おじろ)区と南北に長く、漁業や畜産業など、それぞれの自然環境を活かした産業が盛ん。海のレジャーやスキーなど、遊べる場所も豊富だ。 JR山陰本線の旧余部(あまるべ)鉄橋は、現在は展望施設「空の駅」となっていて、浜上町長は「但馬で有数の観光ポイントになり、一年を通じて多くの方が訪れ、賑やか」と微笑んだ。 香美町の特産品といえば、カニ。関西で唯一、香住漁港のみで水揚げされるベニズワイガニを「香住ガニ」と呼び、毎年9月に漁が解禁される。浜上町長は「ブランド化を成し遂げた」と胸を張る。 9月21日には「香住ガニまつり」が開かれる。地元の漁師による茹でガニや焼ガニ、カニ汁の販売をはじめ「香住ガニ食べ方上手選手権」「ちくわまき大会」など、多彩なイベントも人気だ。毎年、香美町の人口(約1万5000人)を上回る、2万人が訪れる。 香住ガニはふるさと納税の返礼品としても人気。特に、カニの甲羅に脚の身とカニみそが詰まった「甲羅盛り」が一番人気だという。浜上町長は「ふるさと納税で、昨年度は12億円の寄付をいただいた。これは兵庫県内12の町でダントツ1位の金額。その半分で香住ガニ関連の返礼品が選ばれている。今年度は13億円を目標に、担当職員を拡充して取り組んでいる」と話した。 寄付金の使い道について、浜上町長は次のように語った。 ふるさと納税の寄付金は、香美町で深刻な人口減少、少子高齢化対策にも役立てられる。「18歳までの医療費無償化や給食費の完全無償化に取り組んでいるものの、課題の解決に直ちにつながるわけではない。地域独自の産業を盛り上げるような仕組み作りや、若い人が生まれた町で働けたり、事業を起こせたりするような施策が必要」と、寄付を呼びかけた。 課題もある中で、畜産業には明るい兆しが見えるという。町内の小代区は但馬牛の原産地。全国の黒毛和種の99.9%にこの地で生まれた牛「田尻号」のDNAが受け継がれていると言われている。国連食糧農業機関(FAO)は、2023年7月「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」を世界農業遺産に認定した。町内の畜産農家では積極的に研修生を受け入れている。浜上町長は「研修を受けた若い人たちが独立する動きもあって、畜産に携わる人が増えてきた。この地域で新しい畜産農家としてスタートできるような仕組みづくりを頑張っていきたい」と力を込めた。 11月には松葉ガニ漁が解禁され、冬にはスキーシーズンがやってくる香美町。浜上町長は「香美町は町域が広く、山から海まで様々な魅力がある。それを活かした催し物を続けていき、全国からたくさんの人に訪れてもらいたい」と締めくくった。 ※ラジオ関西「三上公也の朝は恋人」2024年9月18日放送回より
ラジオ関西