【臨床心理士・みたらし加奈のお悩み相談】30代半ば。 何度転職しても「思っていたのと違う」と感じてしまう
仕事、人間関係、恋愛、健康…、毎日を過ごす中で、なんだかモヤモヤと心が重くなることって、ありますよね? 心が疲れたら、ひと息ついてもいいんです。臨床心理士のみたらし加奈さんと、ちょっと甘いものでも食べながら、お話しませんか? メンタルヘルスをもっと身近に考えるためのヒントをお教えします。 【画像】メンタルヘルスを整えるアイデアまとめ
1. 働き方にモヤモヤし続けているうちに30代半ばに。 何度転職しても「思っていたのと違う」と感じてしまう……。
今回ちょっとひと息つきにきてくれたのは、30代の女性、マフィンさん(仮)。語学系の大学を卒業後、オーガニック食品会社で販売を1年経験し、その後退職。看護学校に通ったのち、看護師として総合病院に勤務しました。そして、昨年末に5年間勤務した病院を離れ、今年2度目の転職を経験。大学時代に培った英語と5年の実務経験を持つ看護の資格を生かして、現在は医療翻訳の仕事に就いています。しかし、なかなか「これ!」という仕事に巡り合えず“モヤモヤ”が募っているそう。まずは、みたらしさんが、マフィンさんの「心のうち」とゆっくり対話をはじめました。「これ!」という仕事に巡り合えず“モヤモヤ”が募っているそう。まずは、みたらしさんが、マフィンさんの「心のうち」とゆっくり対話をはじめました。 ※これから行われる対話はカウンセリングではありません。 マフィンさん: これまで2回転職をしているんですが、思い描いていたような仕事になかなかたどり着けず…モヤモヤしているんです。 みたらしさん: 話せる範囲で大丈夫ですので、転職の経緯を教えていただけますか? マフィンさん: 新卒のときは、大学時代の留学をきっかけに農業や食育に興味を持ち、食品会社への就職を決めました。今でこそ広く普及していますが、当時はオーガニックフードやヴィーガンといったものが日本ではほとんど浸透していなくて、健康や食の持続可能性などについて考えながら食べるものを選ぶという思想に感化された私は、「これだ!」と突っ走ってしまったんです。それまで語学関係の仕事を希望していたので、周囲からは「語学を使わなくていいの?」、「本当にそれがやりたいことなの?」と反対されてたんですけどね…。その時は聴く耳を持てなくて。 みたらしさん: 食品会社では、どんなところにモヤモヤしたんですか? マフィンさん: いざ働きはじめてみると、事前に聞かされていた食育に関わるような事業はまったくやっていなくて。「仕事の内容が思ってたのと違う」と相談したら部署を変えてくれたりして、親身になってくれる会社ではあったんですが…「このままいてもモヤモヤするだけだな」と思い、1年くらいで退職しました。 友人たちのアドバイスに耳を傾けず、その時の感情の盛り上がりで最初の仕事を決めてしまったことを後悔している様子のマフィンさん。そこで、改めて語学系の仕事を探すのかと思いきや、彼女が次に選んだのは「看護」の道でした。