広がる「年賀状じまい」 お知らせはがきやシールなど関連商品の品切れ続出 郵便料金値上げも影響か
交流サイト(SNS)や電子メールが普及する中、「年賀状じまい」が広がっている。広島市内の文具店では関連商品の売れ行きが好調で、年賀状じまいを知らせる文言を載せた年賀はがきやシールなどの品切れも続出。今秋の郵便料金引き上げの影響が大きいとみる店舗もある。 【写真】年賀状じまいグッズ 生活雑貨のハンズ広島店(中区)は昨年の3倍にあたるはがきやシール計約30種を入荷し、初めて専用コーナーを設置した。12月18日時点で残っているのは、はがき数種類のみに。東広島市の70代男性は「送られてくる数も年々減ってきた。寂しいけれど、今回で最後にします」と品定めしていた。同店の高木健一郎文具グループマネージャーは「値上げがやめるきっかけになっている」と推測する。 日本郵便(東京)は10月1日、郵便料金を改定。はがきは63円から85円に引き上げた。年賀状の場合、官製はがき5枚入りだと千円超えとなる。同社によると、2025年用年賀はがきの当初発行枚数は10億7千万枚で、前年から約25%減った。 広島市を中心に5店を展開する多山文具(中区)は今年から年賀状じまい用スタンプを販売。客からの要望が多く、急きょ特注したという。本通ヒルズ店(同)では、好評のため追加発注を検討している。シールはすでに11月中に完売した。同店の石津良子店長(46)は「昨年は置いていても余ったのに…。今やメーカーにも在庫がない。来年は数を増やさないと」と話していた。
中国新聞社