酒の失敗談…50代で新境地を開拓した高橋ひとみの現在地「アウトデラックス出演で自分の殻が破れた」
じつは、ももえが亡くなったのは、この舞台の稽古が始まる直前だったんです。まるで私に心配をかけまいと時期を選んで旅立ったかのようでした。「これから稽古で忙しくなって大変だろうから、私は先に旅立つね。しっかり舞台に集中して頑張ってね」と、思いを託されたような気がして。 だから、ももえのためにも、この舞台に全力で打ち込みたいと思ってやっています。いまも舞台を通じてつながっている感じがしますね。
■足かけ2年の舞台に出演中「いつも新しい発見がある」 ── 公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、2022年7月にスタートし、2年目のロングラン上演中ですね。 高橋さん:これほどのロングランは私を含め、共演者のみんなも初めてでしょう。ひとつの作品を何百回もやる機会はないですから、すごい経験ですよね。 回数を重ねるごとに「ああ、こういうこともできるな」と試せて、新しい発見があるんです。いろんな演技に挑戦できるのは、ロングランならではの醍醐味ですね。
── 例えば、どんなことでしょう? 高橋さん:ロングランだと、ダブルキャストで相手役も変わります。それに合わせて、こちらの演技も変わっていくので、舞台の雰囲気がまったく違うものになったりするんです。同じ演出で同じ役なのに、なぜこんなにハリーが違うの?というくらい変わっていて、それぞれの演技を楽しめるのも魅力のひとつです。
■バラエティー番組に出ようと思った矢先の『アウトデラックス』 ── 50代からは、バラエティーの世界に飛び込み、お酒の失敗談をぶっちゃけるなど、飾らない人柄で引っ張りだこの存在に。それまで「しゃべれないからバラエティーには出ない」と決めていたというのが意外なくらいです。どんな心境の変化があったのでしょう?
高橋さん:以前は「自分の言葉で話すなんてムリ!」と、かたくなに出演を断ってきたのですが、50代に突入し「新しいことに挑戦してみたい」気持ちがわいてきたんです。 いまさらイメージが崩れるなんて心配する年代でもない。それなら逆に、自分をもっとさらけ出して、「こんな一面もあったんだ」と知ってもらえればと思ったんですね。 50歳でホリプログループに入ったのを機に、これからは、「こういう仕事はイヤ」「できません」とは言わないよう、とにかくすべてやってみようと心に決め、苦手だったバラエティーにも挑戦することにしたんです。