[プレミアリーグWEST]“手堅い”チームに進化してきた東福岡が米子北に1-0で勝利。プレミア残留へ大きな勝ち点3獲得!
[9.28 プレミアリーグWEST第16節 東福岡高 1-0 米子北高 東福岡高G] 【写真】「金髪美少女」「一段と可愛く…」「アカンやつ」元なでしこ岩渕真奈さんのモデル姿に称賛殺到 東福岡がプレミア残留へ大きな1勝! 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WESTは28日、第16節を行った。8位・東福岡高(福岡)と降格圏11位の米子北高(鳥取)との一戦は、ボームの東福岡が1-0で勝利。リーグ残留へ大きな勝ち点3を獲得した。 東福岡はここまで5勝4分5敗と五分の成績。リーグ残留へ向けて降格圏の相手から勝ち点3を獲得したいゲームだった。3-6-1システムの先発はGKが後藤洸太(3年)、DFは大坪聖央(3年)、山禄涼平(3年)、塩崎響(3年)の3バックで、右WB福川聖人(3年)、左WB柴田陽仁主将(3年)、大谷圭史(3年)と佐藤宏耀(3年)のダブルボランチ、トップ下に西田煌(2年)、そして齊藤琉稀空(2年)、伊波樹生(3年)が2トップを組んだ。 一方、米子北は今夏のインターハイで3位。だが、プレミアリーグは3勝11敗と6月以降、白星がない状況が続いている。FW鈴木颯人主将(3年)とMF柴野惺(3年)の攻守の両輪が負傷離脱中なのに加え、怪我を抱える188cmGK広川武寛(3年)もベンチスタート。この日は初先発のGK酒井律輝(2年)、ゲーム主将の右SB樋渡蓮音(3年)、CB熊野俊典(1年)、CB浜梶優大(2年)、左SB花田涼惺(3年)、湯月哲大(2年)と熊谷弾(2年)のダブルボランチ、右SH西尾潤星(3年)、左SH山下一圭(2年)、そして田中太賀(2年)と石飛五光(2年)の2トップで試合をスタートした。 その米子北はシンプルに前線へボールを入れ、セカンドボールを狙っての攻撃。前半11分にはこぼれ球を拾った山下がミドルシュートを打ち込み、西尾がドリブルでDF脇へ前進しようとする。前半、樋渡が右足ミドルを放つシーンもあったが、なかなか東福岡DF陣を破ることができなかった。 東福岡はこの日、米子北対策として3バックを採用。185cmの大坪とカバーリングに秀でた山禄に万能型のDF塩崎を加え、入れ替わるのが上手い相手2トップに対峙した。山禄は「自分は守備範囲が持ち味なんで、そこのカバーリングの部分を自分が徹底して、(空中戦に強い)2人が弾き返してくれるっていうのを信じてプレーしていました」。相手のロングボールを両ストッパーが弾き返し、山禄も安定した守りを続けるなどほとんど隙を見せなかった。 山禄は「夏休みとか、プレミア(リーグ)をやっていく上で『手堅いチーム』っていうのは平岡(道浩)先生がいつもおっしゃっていて、そこを自分たちも感じてというか、そこを意識して色々な練習試合とかでもやれていたので、そこが結構出てきたのかなと思います」。今季前半のインターハイ予選やプレミアリーグでは隙を突かれたり、ラストの集中力を欠いて失点し、敗れるような試合が増えていた。だが、「もう、そういうのはやめようっていうのはキャプテン(の柴田)が結構声出してくれた」(山禄)。“手堅いチーム”に進化してきた東福岡は、この日も安定した守りから攻撃に結びつけていた。 だが、堅守・米子北も前半は危なげない守り。東福岡の齊藤や伊波が浅いDFライン背後を狙ってきていたが、インターハイでも健闘した浜梶、熊野の両CBや熊谷を中心に落ち着いて対応していた。大坪や佐藤ら平均身長が5cm以上大きい相手のセットプレーは脅威だったものの、米子北は無失点で試合を進めて見せる。だが、攻撃ではセットプレーの精度を欠くなど、190cmGK後藤の守る東福岡ゴールにプレッシャーをかけることができない。 米子北は後半開始から石飛をFW佐野聖也(3年)へスイッチ。その米子北は後半14分にも田中とMF平田玖来佑(3年)と入れ替える。東福岡もこのタイミングで伊波に代えて、FW山口倫生(2年)を送り出した。 すると16分、ファーストプレーから鋭い裏抜けを繰り出した山口がDF背後へ。一気にDFの前に出た山口を米子北CB熊野がファウルで止めてしまい、主審からレッドカードが提示された。米子北はすぐ西尾をCB藤原大空(2年)に代えて対応。10人でも失点しないように戦っていた。だが、中村真吾監督は「やっぱり我慢強さとかが……まだやっぱ軽いところがね、要所要所で出ている」と指摘。東福岡にゴールをこじ開けられてしまう。 後半25分、東福岡は山禄のサイドチェンジから右の福川がDFのマークを外して内側へパス。これを大谷が右足でゴール前へ入れると、山口が右足ダイレクトでゴールを破った。交代出場FWの今季リーグ戦2得点目で東福岡が先制。その東福岡は直後に齊藤とMF神渡寿一(3年)を入れ替える。そして、塩崎をトップ下へ移行し、4バックへ。ボールを保持する時間も伸ばし、柴田のパスから西田が左足を振り抜いた。また、セットプレーなどから2点目を狙う。 対する米子北は37分、左SH久徳庵道(3年)と右SH落合翔覇(3年)を同時投入。試合終盤、佐野が強引に左足を振り抜き、佐野のクロスに平田が飛び込むなど諦めずに攻めた。だが、41分にMF稗田幹男(3年)とMF杉谷俊哉(2年)の両アタッカーを投入した東福岡は彼らのスキルやキープ力を活用しながら試合を締めて1-0で勝利。平岡道浩監督が「よくタフに、パワフルにやってくれました」と評した戦いで勝ち点3を獲得した。 プレミアリーグで残留するため、大目標の選手権で勝ち上がるために、名門校はまず“手堅いチーム”になることを目指してきた。平岡監督は「(もちろん攻撃的な戦いをしたいが、現在は)やっぱり守備ですね。打たれたシュート本数がちょっと後期になって増えてきたんで、そこはしっかりやっていきたいなと」。この日は被シュートわずか2本で無失点。基礎技術の向上とともに、“手堅いチーム”になることにこだわり続けていく。 この日の白星は自信に。山禄は「米子北とかはやっぱ選手権とかインターハイとかトーナメント戦に強いチームっていうのは本当に見ていても良く分かっていたんで。(対して)自分たちはほんとトーナメントで、(今年は)県でまだ決勝にも行けてないチームなんで。ほんとに選手権で全国取るためには、こういうチームも勝っていきながら、(福岡大)若葉だったり九国(大付)だったりをしっかり倒せるようにイメージして練習しています」と語り、大谷も「歴代の先輩たちが築き上げてきたものを自分たちがしっかり継承して、『強いヒガシ』を見せたいなと思います」。選手権、インターハイともに全国優勝3度の名門も、2年連続で選手権予選敗退中。より隙のないチームになってプレミアリーグ、選手権で白星を重ねる。