「誰かと話すことが特効薬」米下部ツアー2勝の選手が自身の"アルコール依存と鬱病"を告白
基本的にゴルフは個人競技。毎週のように家族と離れて転戦するツアープロのメンタルにかかる負担はことさら大きいと言われるが、コーンフェリーツアーで戦うスティーブ・ホウィートクロフトがそのつらさを吐露し、反響を呼んでいる。
「プロとしてやっていくには、どんな状況も克服できるメンタルの強さを持っているか、その状況に気付かない鈍感さが必要だ」 そう語るのは、コーンフェリーツアーで2勝しているホウィートクロフト(46)。 先日「5分だけ時間をください」と、アルコール依存症と鬱に苦しむ人のため、自身がそれらを克服した経緯についてX(旧ツイッター)に投稿し、それがPGAツアーのサイトに掲載された。 この記事が話題を呼んでいるのは、意外とツアープロのなかにもアルコールがやめられなかったり、鬱に苦しむ選手が少なくないからなのかもしれない。 アルコール依存に関しては、レギュラーツアー時代のジョン・デーリーが有名だが、昨年ホンダクラシックで優勝したクリス・カークも悩まされていた(その後克服)というし、今年のソニーオープン・イン・ハワイで優勝したグレーソン・マレーは5月、アルコール依存と鬱が原因で自死している。 自身のアルコール依存の克服経験を語ったホウィートクロフトは、レギュラーツアーでの優勝こそないが、生涯獲得賞金411万ドル(約5億9000万円)を手にし、06年から19年までツアーを転戦していた。しかし「なんでも処理できるメンタル面の強さがなくなり」、試合から遠ざかることに(その後アルコール依存症と鬱を発症)。 「酒が好きで飲んでいたわけではない。当時の私はアルコールが魂をまひさせ、何も感じさせないことを愛していた」と語り、「それを克服するには、誰かと話すことが何より重要だ」。 セラピストでも友人でも良い、あるいは他のゴルファー、キャディと話すことが大切だというホウィートクロフト。 最後に「この記事に感じるものがあれば、自分に電話でもいいからメッセージを送ってほしい」と綴った。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月24日「バック9」より
週刊ゴルフダイジェスト