寝具D2C キャスパー 、非上場後は「マットレス小売」に特化:新小売戦略による店舗デザインも発表
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。 D2Cマットレスブランドのキャスパー(Casper)は、現在は非上場企業となった自社の成長戦略を洗練するため、新しい店舗デザインの運用を開始する。 キャスパーは2024年1月、カリフォルニア州コスタメサにある初のリニューアル店舗を公開した。この新しい店舗には「スヌーズバー(Snooze Bar)」があり、顧客は「睡眠専門家」と呼ばれる従業員に、自分のニーズやライフスタイルに基づいた最良の枕やマットレスについて質問できる。また、顧客がキャスパーの枕を試すことができる枕専用のラボや、寝室のデザインサービスを提供するスペース、子ども向けの「バンクハウス体験(bunkhouse getaway)」も新設した。 現在、キャスパーはこの新しい店舗デザインを1店舗だけでテストしている。しかし、この店舗体制が成功すれば、より多くの店舗に展開する予定だと、同社最高販売責任者のブラッド・ベイリー氏は話す。キャスパーは現在66店舗の小売店とアウトレット店を展開しており、2024年は7~10店舗ほど新規オープンする予定だ。 この新しいコンセプトは、特に2021年に株式を非公開にしたあと、キャスパーのメッセージングが年を追うごとにどのように進化してきたかを示している。店舗のデザインは、いくつものカテゴリーにおいてキャスパーの製品イノベーションを強調することを意図している。また、PRの視点では、D2Cブランドに突き付けられることが多い、「デジタルマーケティングを活用するのが上手なだけの会社」だという批評に反論することも目的である。 「キャスパーに入社する前の私自身も含めて、多くの人々は、キャスパーが、箱詰めしたベッドの流通と配達を行うためのアイデアと方法を見いだしたマーケティング企業にすぎないと考えていた。しかし、実際はそれ以上の企業だ」と、2023年5月に入社したベイリー氏は語る。