【撮影データ】福井城址大名町停留場付近（福井市）▽撮影日時・２０２４年９月１２日午前６時１０分▽レンズ・１００―４００ミリズーム▽ＩＳＯ感度１２５０▽シャッター速度８００分の１▽絞りＦ７．１

　今回の鉄フォトは福井鉄道福(ふく)武(ぶ)線です。県都の福井市とめがねの生産で有名な鯖江市や越前和紙の産地・越前市とを結ぶ南北２１.４キロの路線です。このうち福井市内の３.３キロが軌道線となっています。 【写真特集】福井鉄道福武線の見どころをたっぷりどうぞ

（写真：読売新聞）

　以前は鉄道線用の大型車両が路面区間を走るのが特徴でしたが、２００６年以降、路面電車型の車両の導入が本格化し、現在は鉄道線の区間も含めてすべて路面電車型車両で運行されています。「フクラム」「フクラムライナー」の愛称の超低床式車両が計５編成、名古屋鉄道から移籍した車両８編成が活躍しています。そのほか元ドイツ・シュツットガルト市電の「レトラム」が週末などのイベント用として人気です。

福井駅の西口広場には多くの恐竜モニュメントが並ぶ。福井駅停留場の傍らのティラノサウルスは人が近づくと「グォオオオ」と低い声でほえる（福井市で）

　００年代後半には一時存続が危ぶまれましたが、行政などからの支援に加え、鉄道線では駅前駐車場の整備や新駅の開設、軌道区間でも停留場の幅を広げたり屋根を設置したりするなど、利便性向上が図られ、利用者数は戻りつつあります。１６年からは田原町駅で接続していたえちぜん鉄道との相互乗り入れも行われています。

　今回撮影した場所は福井城址大名町停留場そばの交差点です。ここから福井駅へ、東に５００メートルほどの単線が延びているのですが、この単線は北側からしか進入できないため、福井駅を経由する電車は上りも下りも必ず、福井城址大名町で進行方向を逆にする「スイッチバック」を行います。分岐点をゴトゴトと通過する様子はちょっとした「萌(も)え」ポイントかもしれません。（東京写真部　佐藤俊和）

　※鉄道写真撮影の際のお願いです。マナーを守って安全に撮影しましょう。