「二度と同じそばは打てない」 奥深いそばの世界 長野でアマら腕競う
10月は各地でそば祭りのシーズン。そば好きの同好会などアマチュアのそば打ちたちが腕前を競います。長野県松本市では9日まで3日間、「信州・松本そば祭り」が開かれ、全国から同好グループなどが集まって地域色豊かなそば料理を提供、観光客らを喜ばせました。「2度と同じそばは打てない」という奥深いそば打ちの世界をのぞいてみると……。
信州・松本そば祭りは今年で14回目の伝統イベント。松本城を眼前に望むお堀端の公園に全国から集まったそば打ちの19団体が店開きし、自慢のそばを提供しました。 団体の多くは企業の社員のそば愛好会や、地域のそば好きの同好会など。北海道から福島、茨城、富山、福井など各県に混じって地元長野県のグループも意気込んでいました。 客の長い行列ができていた北海道の手打ちそば愛好会の店は、カニとエビの天ぷらそばが人気。宇都宮から応援に来たという永木貞夫さん(75)は、「北海道は国内のそば生産の40%を占めるからそれなりの自負を持っている。8月末から早めに収穫が始まるのも北海道のそばの強み」と説明。 自身もそば打ち15年で、「そば打ちの仲間として応援に駆け付けたんだ」と、客の呼び込みや整理に汗を流していました。
風の盆で知られる富山県八尾町から参加した「やつお そば大楽(だいがく)」の店は、「うちの行列が一番長いよ」と胸を張る盛況ぶり。富山名物の白エビの天ぷらそば目当ての客が中心で、近くのほかの店は「白エビは客を呼ぶなあ」と感心。 八尾グループによると、そば同好会はメンバーの職業もさまざまで60人ほど。富山県内にはそばの同好グループが9団体前後あると見られ、そば打ちの熱は北陸でも熱いようです。 このほか高速道会社の社員のそば打ちグループの店や、会津磐梯山の標高600メートルで栽培したそばをダイコンのしぼり汁とそばつゆで食べる「会津高遠そば」の店なども登場。会津高遠そばは、信州の高遠藩と会津藩の歴史的なつながりを物語るそばとして存在感を示していました。