天王寺動物園のコアラ「アーク」10月にイギリスへ 同園のコアラ0頭に
大阪市天王寺区の天王寺動物園は20日、同園で飼育しているコアラの「アーク」(雄、12歳)が、イギリスのロングリートサファリパークに出園すると発表した。アークの出園により、同園ではコアラが見られなくなる。10月中旬ごろに旅立つが、同園では28日にお別れイベントを実施する。 【拡大写真】天王寺動物園の人気者だったコアラのアーク(2016年撮影)
ヨーロッパにおける南方系コアラの繁殖計画に協力するため
同園によると、今回のアークの出園は、動物園同士が繁殖を目的として動物を貸し出し、あるいは借り入れする契約「ブリーディングローン」によるもの。ヨーロッパにおける南方系コアラの繁殖計画に協力するため、ロングリートサファリパークからの希望を受け繁殖経験のあるアークを移動させるという。 また、国内2園だけで南方系コアラを繁殖、維持することが困難であることや、エサとなるユーカリの栽培管理費が高額負担になっていることから、総合的に判断したとしている。 アークは2006年、メルボルン動物園で生まれ、2008年6月に天王寺動物園へやってきた。2011年から15年までは、ブリーディングローンで淡路ファームパーク・イングランドの丘へも出園していた。
多い時にはコアラ9頭を飼育も0頭に 28日にお別れイベント
天王寺動物園では、1989年にメルボルン動物園からコアラ3頭が来園。多い時には、コアラの最大同時飼育数は9頭を数えたが、2016年以降はアーク1頭のみを飼育していた。 今月28日午後1時半からは、同園コアラ舎の前でお別れイベントが行われ、担当飼育員が、アークの思い出を語る予定となっている。また、出園準備の関係で、29日以降は、アークが見られない時間帯もあるとしている。