ポルノグラフィティ・岡野昭仁は一言のコーラスでも「明らかにうまくて」 新藤晴一が明かす音楽ルーツや思い出
エリック・クラプトンのギターに教わったこと
「尊敬するアーティストは?」と訊かれた新藤はエリック・クラプトンを挙げ「ギターの弾き方を彼から習ったみたいなところはある」と答えた。 新藤:ギターのかっこいいことをやってくれる感じ。Guns N' Rosesのギタリスト・スラッシュもかっこよかったんですけど、スラッシュを弾くにはブルースなんだ、ブルースって言ったら誰だ、クラプトンだって。クラプトンを聴くと王道のかっこいいことをやってくれてコピーをしたくなる。 クリス:その王道が魅力なのかな。 新藤:アバンギャルドじゃなかったというか。ジミ・ヘンドリックスはかっこいいけど、どうやってコピーしたらいいかよくわからない。それと比べるとクラプトンはフレーズが端正で教科書のようにメジャーとマイナーのブルーススケールを行き来してくれる。ブルースのいいところをしっかり教えてくれた感じですね。 クリス:クラプトンで好きなアルバムは? 新藤:たくさんあるんですけど、1枚挙げるとしたら『Pilgrim』を選びます。クラプトンのよさのひとつがメロディアスだと思います。このアルバムは打ち込みも多くて古典的なブルース臭はあまりしないんですけど、クラプトンのメロディアスさ、メロディーメーカーさ、そして歌のよさがあり、打ち込みの中に時折ブルースが出てくるんですよね。その塩梅がこのアルバムはいいですね。 また近年はミュージカルにも大きな影響を受けていると新藤は言う。 新藤:我々がやっている曲はその1曲で成り立つ音楽だけど、ミュージカルはストーリーの中に曲があって、その曲たちが影響し合って意味が生まれてくる。ミュージカルはなんでもありなんですよね。歌って踊ってお芝居もしている。とにかく全力で楽しませようって。エンターテインメントという意味では最近好きですね。 クリス:全部ミュージカルの中に入っていますよね。歌も踊りも芝居も美術も演出も。 新藤:我々は音楽をやっているけど、また可能性のひとつとして面白いと思いますね。 2023年、新藤がプロデュース・原案・作詞・作曲を手掛けたミュージカル『a new musical「ヴァグラント」』が上演された。 a new musical『ヴァグラント』 ゲネプロ 新藤:本当に楽しかったですね。役者さん1人1人に曲があって、いろんな人が歌ってくれることも楽しかったですし、「こういう風に歌うんだ」っていうのも楽しかったし。たくさんの人が集まって何か作るって、バンドを組んだときと同じような楽しさが思い浮かんだし、全体的にいい夏休みだったなって思います。 5月24日(金)には『a new musical「ヴァグラント」』のBlu-rayがリリースされる。