【塩ワンタン麺】まるで天女の羽衣!? 三鷹の老舗ラーメン店のワンタンは、究極のふわとろ食感だった:パリッコ『今週のハマりメシ』第149回
そして塩ワンタン麺が到着。うわ~、これはこれは。なんとも美しいラーメン。バランス良くどんぶり上を覆いつくす具材たち。とりわけ、天女の羽衣のようなワンタンは、どんな食感なのか、早く食べてみたくてたまらない。 が、まずはスープからひと口......お、すごい! 2、3、4口と、れんげを運ぶ手がとまらなくなる。ベースは、魚介、鶏、昆布などだろうか? 基本はあっさりしているんだけど、同時にどこまでも深く、ガツンと満足感がある。 デフォルトで3枚ものっている、しっかり肉質のチャーシュー、気前のいい量のメンマ、ねぎに水菜。どれもこれも、必要不可欠という感じで、この一杯に良いアクセントを加えている。それを受け止める、つるつるもちもちの麺がまた、とてもいい。 ところがこのラーメンには、まだ主役がいるのだった。そう、ワンタン。 肉餡をまるでウェディングドレスのように包み込むワンタンは、最大の特徴として、僕がこれまで人生で食べてきたワンタンのなかで、もっとも厚みが"薄い"ようだ。それゆえ食感が、ふわっふわのとろっとろ。口のなかで儚く溶けていってしまうような繊細さ。ワンタン好きの僕だが、こんな快感をともなうワンタンは、確実に初めて食べたぞ。 スープ、麺、具材、すべてが高次元で融合し、唯一無二のワンタンの記憶が、食べた者の心に強く刻み込まれる。三鷹の老舗、おそるべし......。 その後、服もすっかり乾いて、辿り着いたUNITEは、とても良い書店だった。空気感と品ぞろえが良く、買った本を喫茶スペースでのんびり読むこともできる。自慢のコーヒーも気になったが、「ハートランドビール」があるというので飲ませてもらい、すっかり優雅な気持ちを取り戻して帰路についたのだった。 取材・文・撮影/パリッコ
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