サッカー日本代表の意外な落とし穴 遠藤航のバックアップをどうするのか?
W杯アジア最終予選で、グループCの断トツ首位を行くサッカー日本代表だが、気になるのは各ポジションのなかで唯一、遠藤航のバックアップが不在な点だ。体調不良で欠場したオーストラリア戦は1-1と苦戦。所属のリバプールでは出場機会に恵まれず、今後パフォーマンスを落とす心配もある。もし彼がダメとなった場合、どうすればいいのか。3人の識者にバックアップの選手を挙げてもらいつつ、考察してもらった。 【画像】サッカー日本代表 2026年のメンバーはこうなる! 識者たちが予想したフォーメーション 【タイプ的に正当な後継者となれるのは佐野海舟】 篠 幸彦(スポーツライター) <遠藤航のバックアップ> 田中碧(リーズ) 藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン) 佐野海舟(マインツ) 現時点では遠藤航、守田英正という日本代表のベストなボランチコンビの牙城を崩す存在、完璧に代わりとなれる存在はいない。そのなかでも田中碧は遠藤とは違った持ち味で、もうひとつのオプションとして現在も選択肢にある。 なかでも2列目からのダイナミックで嗅覚の利いた飛び出しと、FWさながらの得点能力は、遠藤と明確に異なる長所として実績を残してきた。今季からリーズへ移籍を果たしたが、プレミアリーグへ昇格できるかは注目したい。 今の田中に必要なのは、より高いレベルでの経験だろう。もし来季プレミアリーグでプレーできれば、実績や年齢的にも後釜としてもっとも現実的な選択肢となる。 藤田譲瑠チマも遠藤とはタイプの異なる選手で、どちらかと言えば守田の後継者と言えるかもしれない。ただ、パリ五輪を終えて、今後のボランチの担い手としてA代表で台頭してこなければいけない存在だ。 ボールをさばく能力、視野の広さ、判断力など、ゲームを作る力は現時点でも遠藤と遜色ないどころか、さばく能力に関しては藤田のほうが優れているだろう。ボール奪取能力では当然劣るが、守備能力も低いわけではない。 さらにパリ五輪でキャプテンを務めたリーダーシップも、代表にはほしい素養だ。今回のW杯アジア最終予選で久しぶりに招集されたが、今の代表の調子を考えればどこかで起用し、経験を積ませてもいい。 それから少しでも早く、ベルギーよりもレベルの高いリーグへの移籍が望まれる。いずれはUEFAチャンピオンズリーグに出場するビッグクラブへの移籍も叶えられる逸材なだけに、そろそろステップアップしたい。高いレベルでの経験値が、遠藤ともっとも差のあるところである。 そして、本来、タイプ的に正当な後継者となれるのは佐野海舟のはずだ。カバー範囲の広さ、球際の強さ、ボール奪取能力の高さは引けを取らないものがあり、縦への推進力は遠藤を凌ぐ。今季から移籍したマインツでもすでにデュエルで際立つプレーを見せている。ブンデスリーガでの経験は遠藤のように佐野のデュエル能力をより伸ばすことは間違いない。 佐野がいつまた招集されるようになるかはわからないが、彼が代表でプレーするようになれば遠藤の後継者問題は解決するはずだ。