「気づき」を増やして心の豊かさに。美しい人であるために堀田真由が考えること。
豊かに生きることは気づくこと。
──これまでの人生の中で一番幸運だったと思うことは? いろいろな瞬間があるのですが、強いてあげるとすれば親友との出会いです。高1のクラスが一緒で、出会いは入学式の日。彼女もイニシャルがHなので席が前後だったんです。「どこから来たんですか?」という会話からもう10年で、ずっと仲が良い友人です。俳優という仕事をしていない時から自分のことを知ってくれている彼女の存在が、いまも私を支えてくれています。 ──フィガロジャポンは、アールドゥヴィーヴル(暮らしの美学)の考え方を大切にしています。毎日を豊かに過ごすためにしているルーティンがあれば教えてください。 気づきの多さが豊かさに繋がると思います。例えば、通学や通勤をする同じ道で、昨日は咲いていなかった花が咲いていることに気づく。そのちょっとした変化に気づけた時、私は幸せを感じます。ありふれた毎日の中でも、きっと何か変化していることがあるはず。そこに気づくことができる人でありたいです。お芝居をしていると、知らない言葉が出てくることも当然あるのですが、「どういう意味だろう?」と思ったものは見過ごさずにきちんと調べてみる。単語やセリフにして覚えて言うこともできますが、時間がかかっても調べてみると言葉の美しさや奥深さに気づく。興味を広げ、視野を広げること。いろいろなことに気づけることが、心の豊かさに繋がっていくと思います。 ──まだ経験していないことで、これからチャレンジしてみたいことはありますか。 映画『バカ塗りの娘』(23)で青森の伝統工芸・津軽塗に触れる経験をして、物作りの大切さを学びました。それ以来やってみたいのは金継ぎ。壊れたものに手を加えて直すその美学に惹かれています。あとは、ガラス吹きもやってみたい! 以前、占いで「あなたは職人です」と言われたことがあるのですが(笑)、物作りやそのルーツを知ることに興味があります。 ──堀田さんにとって年齢を重ねることは、どんな意味を持ちますか。年齢を重ねても変わらずに大切にしたい思いや価値観はありますか。 顔や表情には、年齢を重ねるにつれてその人の生き方が出ると聞くことがあります。20代のいまの良さもあるけれど、30代40代と年齢を重ねた先輩たちを美しいと思うのは、経験や学び、困難を乗り越えてきたからこそにじみ出る表情や気品があるからだなと。内側から出る美しさは手を加えられるものではないので、自然の贈り物として享受したこの顔や身体をたくさんの経験で磨いていきたいです。これからどんな顔になっていくのか私自身わくわくしているので、年齢を重ねていくことも楽しみなことのひとつです。