19センバツ星稜 第2部・頂点への戦力チェック/5 外野はV経験トリオ /石川
<第91回選抜高校野球> ◇気心知れた2人 打撃改善、主役目指す 岡田大響選手(2年)/有松和輝選手(2年) 外野は有松和輝選手、ともに俊足を誇る東海林航介選手に岡田大響選手と、星稜中で全国優勝経験もある2年生トリオが正選手に納まる。昨秋から主力に定着した有松、岡田両選手は打撃面で明暗が分かれた。下位を担う有松選手に確実性が伴えば、切れ目ない打線が完成する。 打撃だけに目を向ければ、右翼に就くこともある主戦の奥川恭伸投手(2年)も魅力。主に5番に座った昨秋は公式戦12試合で打率4割、チームトップの18打点を挙げた。ただ、「奥川の負担を減らすには(野手で)使わないのが最良の考え」と林和成監督(43)。長打力を買われて背番号を勝ち取った今井秀輔選手(1年)、竹村紘人選手(2年)が3月解禁の実戦で経験をどれだけ積めるかで、林監督の悩みの度合いも変わりそうだ。 中学からの付き合いで気心が知れているからだろう。有松、岡田両選手のやりとりは軽妙だ。「(有松選手は)結構ストレートに何でも言ってくるので、たまに口げんかになる。最近は仲がいいですけど」。岡田選手がそう言えば、有松選手は「岡田は負けず嫌いで……目立ちたがり屋です」と、したり顔で切り返す。ただ、念願の一桁の背番号を手にする思いを聞かれると、「ここから気を引き締めないと」と口をそろえた。 有松選手からすれば、左翼は曲折を経てたどり着いた定位置だ。星稜中では捕手として2016年の全日本少年軟式野球大会優勝に貢献。今春の星稜ブルペンを支える寺沢孝多(2年)、荻原吟哉(1年)の両投手を好リードした。ただ、右ひじを故障したことで高校入学後は一塁手に転向。外野に回ったのは林監督の勧めだった。 右翼に就く岡田選手は対照的に、小学3年からほぼ一貫して外野を守る。これまでは練習中に自分の胸の内をさらすことは「あまり意味ないかなと思って」避けていたという。だが、「今は『ちょっと違うな』と思った時は(外野手同士で)話し合うようになった」。主力になった責任感が意識改革をもたらした。 昨秋の公式戦で打率3割台の選手がそろう内野手に対し、外野手の打棒はややインパクトに欠いた。有松選手は「秋は力みすぎてバットがうまく振れなかった。打撃でも注目されないと」。岡田選手も「自分の活躍で勝ちたい」と力を込める。やはり、仲良し同士だ。【岩壁峻】 ……………………………………………………………………………………………………… 選手 試合 打 安 打率 有松和輝(2年) 12 29 6 .207 東海林航介(2年) 13 45 12 .267 岡田大響(2年) 13 41 12 .293 今井秀輔(1年) 1 1 0 .000 竹村紘人(2年) 1 1 0 .000 ※記録は昨秋の公式戦。打は打数、安は安打