国連の4度目の指摘…「日本は夫婦別姓を進める考えはありませんか」
「女性が結婚後、自分の姓を名乗れるように自由を与えることは考えていませんか」 17日(現地時間)、スイスのジュネーブで開かれた国連の女性差別撤廃委員会で、ある委員は日本政府関係者にこのように質問した。これに対して日本政府は「国民の理解が必要だ」と、従来の回答を繰り返した。国連は「国連女性差別撤廃条約」と関連し、主要国家が雇用や労働、法、教育などの分野で女性に対する差別をどのくらい是正したのか、履行状況を審査する。今年8年ぶりに日本政府に対する審査が開かれた。これに先立ち、離婚した夫婦のうち女性だけに6カ月間再婚を禁止する民法などの改善を委員会が日本政府に求め、実際に是正が行われた事例もある。しかし、夫婦別姓の導入だけは、国連から2003年、2009年、2016年の3度も是正勧告を受けたにもかかわらず、日本政府でこれといった動きを見せていない。 日本ニュースネットワーク(NNN)によると、この日も国連の女性差別撤廃委員会は「(日本で結婚後、配偶者の姓に従う制度が)多くの女性への影響がある。職場のありかた、プライベートでも大きな影響が出ている」と批判した。一方、日本政府代表団は「(選択的夫婦別姓制度について)国民の意見が分かれている。社会全体における家族の在り方に関する重要な問題であり、幅広い国民の理解を得る必要がある」とし、明確な答えを避けた。さらに「女性たちが不利益を感じることがないよう、(旧姓の)使用拡大のために努力してきた。パスポートやマイナンバーカードなどにも旧姓も併記できる」と答えるにとどまった。日本では夫婦別姓制度の導入と関連し、「夫婦の姓が異なると家族の結束力が壊れる」など保守的な立場を持つ人があるが、女性に対する差別という意見も存在し、これを撤廃すべきだという声がかなり以前からあがってきた。 国連の女性差別撤廃委員会はこの日、審査を経た後、ひとまず日本政府に必要な「勧告」を含む最終見解を出す予定だ。 NNNは「夫婦別姓を選べるよう民法を変えるべきとの4度目の指摘をおこなう可能性がある」との見通しを示した。 東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )