関西最大級のメガソーラー発電所が運転開始、5700世帯分の年間消費電力を供給/大阪
大阪府泉大津市夕凪町の泉大津フェニックス処分場内で建設されていたソフトバンク泉大津ソーラーパークが17日、全面運転を開始し、関係者らが出席して完成式典が開かれた。年間発電量が一般家庭5700世帯分の年間消費電力に相当する関西最大級のメガソーラー発電所だ。自然エネルギーで関西の電力不足を補う役割が期待されている。
8万枚のソーラーパネルが整然と並ぶ
大阪湾を埋め立てて造成された25haの敷地。甲子園球場6・5個分の広大なスペースに、長さ約166センチ、幅99センチのソーラーパネルが、約8万枚。年間を通じて太陽光をとらえるため、仰角10度で真南に向いて整然と並ぶ。鈍いメタリックな光を放つソーラーパネルの海が広がっているようだ。 出力規模は約19・6MW(メガワット)。年間発電量は一般家庭約5700世帯分の年間消費電力に相当する約2万689MW時を見込んでいる。関西最大級のメガソーラー発電所で、地元の泉大津市で換算すると、市内の家庭6軒に1軒分の年間消費電力を、丸ごと供給する計算になる。総事業費は約66億円で、事業期間は20年間。 ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを行うSBエナジーが、三井物産、京セラソーラーコーポレーションと共同で設立した特定目的会社(SPC)泉大津ソーラーパークが、大阪府から土地を借りて建設した。長い工期が必要となる従来型の大規模発電施設とは異なり、工事着工からわずか1年で、全面運転にこぎつけた。
エネルギーの地産地消へ一歩前進
式典に参加した関係者が、それぞれ意欲を語った。上田裕・泉大津ソーラーパーク代表取締役副社長は「工事関係者の努力で、ソーラーパネルのラインがすっきり通った最高水準の施設が完成した。今後20年間、すぐれた設備で発電できることを喜んでいる」と話した。 松波亮成(あきなり)・SBエナジー取締役は「東日本大震災の教訓から、緊急時にも通信事業を円滑に実施するためには、電力の安定的確保が欠かせないとの判断から、ソフトバンクグループが発電事業に乗り出した。この発電所は、当グループにとって、13番目の発電所。自然エネルギーによる小規模で地域分散型の発電所がこれからも広まっていく。電力供給に加え、環境学習などでも地域貢献していきたい」と、意欲を示した。 来賓として出席した小河保之・大阪府副知事は「大阪府は『おおさかエネルギー地産地消推進プラン』に取り組んでおり、松井一郎知事も今回の発電開始がエネルギー地産地消の弾みになると、歓迎している。これからも府有地の提供などでエネルギー地産地消を進めていきたい」と話した。 発電所エリアに隣接して、見学施設のある環境エリアを設置。社会見学や環境学習に利用される。関西地区のエネルギーの地産地消へ、また一歩前進した。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)