<独自>日産“下請けいじめ”の実態 部品メーカー「減額断れば切られる」【WBS】
日産でも3年前に調査
さらに、日産の幹部を取材すると、意外な事実がわかりました。 「この下請け問題は、およそ3年前から取締役会で議題に上がっていた。それを受け、わが社は取引先に向けて緊急アンケート調査を実施した」(日産幹部) この幹部によれば、2021年頃、日産と取引する中小企業から「減額を強要されるなどの不当な取引が横行して困る」という声が出ていたことを受けて、取引先にアンケートを実施。しかし、調査した部署からは「問題はなかった」と報告を受けたといいます。 この日産の独自調査について、公正取引委員会の幹部に尋ねると「そのアンケート調査は機能していなかったということだ。日産が行うアンケートに『減額された。問題だ』などと下請け企業が書けるわけがない。アリが象に立ち向かうようなもので、吹けば飛んでしまう」と話しました。 今回取材に応じたこの部品メーカーは、日産以外にも複数の大手自動車会社と取引しています。その上で、こう訴えました。 「業界の問題だと思う。今回日産の件が明るみに出ているが、日産だけが悪いのかというとそうではなく、右へならえで同じことをやっている。本当に長時間労働を強いられて作ったものを今度は買いたたかれて、二重三重の苦難に立ち向かわなければいけないというのが中小企業の実態」(部品メーカーの社長) 部品メーカーの社長は今回声を上げた理由について、次のように話しました。 「中小企業でもしっかりと稼げる。少しずつだけど給料も上がる。そういう構図を作らなければ未来はないと感じるので、声が少しでも届くならとちょっと勇気を出して話をしている」(部品メーカーの社長) ※ワールドビジネスサテライト