ジェーン・ストリート、盗まれた秘密開示必要-存在せずとミレニアム
(ブルームバーグ): 米自己勘定トレーディング会社ジェーン・ストリート・グループは、ヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントに2人の元トレーダーが移籍した際、インド・オプション戦略の機密情報を持ち出したと主張し、同社を相手取り先月訴訟を起こしたが、企業機密の詳細を開示するよう判事から求められた。
マンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地裁のポール・エンゲルマイヤー判事は16日、盗まれたとされる企業秘密に関し、ジェーン・ストリートに詳細な情報開示を求め、5月23日に期限を設定した。
イジー・イングランダー氏率いるミレニアムと元トレーダーのダグラス・シャデワルド氏、ダニエル・スポティスウッド氏は、争点とされる秘密は存在せず、ジェーン・ストリートが 「悪意に基づく」曖昧な主張を行っていると反論した。
ジェーン・ストリートは「非常に大きな利益をもたらす」自己勘定ストラテジーが盗まれたと主張し、インドのオプション取引関連の戦略だと審理で明らかになったが、エンゲルマイヤー判事は、訴訟を提起できる企業秘密が特定されているとは考えていないとはっきり示唆した。
同社はこの戦略の利用差し止めを当初請求したが退けられ、今は損害賠償を求めている。
ミレニアムはジェーン・ストリートに対抗して今週訴訟を起こし、インドで長年取引を行い、2016年にはインドの証券・金融資産を保有する外国企業として規制・監督当局の承認も得たと説明した。訴状によると、ミレニアムは「徹底した審査と承認プロセス 」を経ずに社員が第三者の機密資料を社内に持ち込むことを禁止しているという。
シャデワルド氏とスポティスウッド氏もジェーン・ストリートを相手に今週訴訟を提起した。
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原題:Jane Street Ordered to Detail Secret India Trading Strategy (1)(抜粋)
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Chris Dolmetsch