「浴室で解体しました」58歳母をバラバラ死体にした娘が告白する「切断」「解体」「遺棄」までの全貌
解体の再現
さらに警察の注意を惹いたのは、2月中にあかりが、二度にわたって『RAW 少女のめざめ』という映画を見ていたことである。この作品は、ベジタリアンの少女が獣医科大に入学し、先輩から強制的にウサギの生の腎臓を食べさせられたことをきっかけに、カニバリズム(人肉食)に目覚めるホラー映画である。当時、看護学校に通っていたあかりと共通点があるうえ、母・妙子さんの突然の死との関連が疑われた。 逮捕から18日が経った6月23日、現場となった自宅で、被疑者を立ち会わせた死体切断状況の再現捜査が行われた。発生当時の状況を再現し、供述に不合理なところがないか、ひとつひとつ確認していくためだ。ひと口に「遺体を運んだ」といっても、どのような経路で、どうやって運んだのか再現し、確かめていく。
浴室で解体しました
「母は、一階のリビングルームで亡くなりました」 再現捜査で、あかりはあくまで、母が自殺したという前提で、遺体解体の経緯について話した。 「遺体は硬直していたため、お風呂まで運ぶのは大変でした。遺体を引きずっていく途中、壁に触りながら伝うように移動しました。途中、母の身体から尿が漏れて、部屋が汚れてしまいました」 髙崎宅の一階は、南側にはリビングダイニングと和室が二間、廊下を隔てた北側に玄関、浴室、トイレが並んでいた。 妙子が亡くなったリビングルームは南西の角にあり、テレビボードと向かい合うように座椅子が置かれていた。実況見分の結果、このテレビボードの周囲に17ヵ所、最大0.5ミリの血痕が発見された。いずれも妙子の血液である。
七つのゴミ袋
供述によると、あかりは南西角のリビングルームからダイニングルームを抜け、廊下を通って浴室まで母の遺体を運んだという。この日は、その様子が再現された。 あかりは遺体を浴室に運んだあと、母の服をはさみで裁断し、脱がせた。 次に遺体の右ひじあたりをのこぎりで切り落とそうとしたが、うまくいかなかったため、もともと自宅にあったステンレスの包丁と鉈を使ってようやく切断することができた。 その後、同様にして右肩を切断。脚部、頭部なども切断していった。解体するにあたって、あらかじめ脱衣場と廊下には新聞紙を敷いておき、切断した頭部など各部位はいったん、脱衣場にあった水色の大きなゴミ箱に入れた。 その後、各部位をひとつひとつ取り出してペットシートやタオルで包み、その上からさらに新聞紙でくるんだ。各部位は30リットルの黒いゴミ袋に入れ、外から形が分からないようにするため、新聞紙を丸めたものをゴミ袋に詰めた。 こうしてできた七つのゴミ袋を玄関前の廊下に並べて置き、その後、胴体部分の解体にとりかかった。しかし、へその下あたりに包丁を入れたところ、強烈な悪臭がしたため解体を中止せざるをえなくなった。仕方なく40リットルのゴミ袋をふたつ用意し、頭部側と胴体側からそれぞれかぶせ、そのまま水色のゴミ箱に入れて上からタオルをかぶせた。 あかりは、七つの袋に分けた各部位も、燃えるごみとして捨てていた。そのため、捜査段階では発見できていない。 しかし、残った胴体部分だけは大きすぎて燃えるごみとして出すことができず、旧野洲川南流の河川敷に放置し、ホームセンターで購入した培養土をかけていた。3月に近隣の坂田道子(仮名)が群がるトンビに目を向けるまで、この胴体部分が発見されることはなかった。 【連載第2回はこちら】58歳母をバラバラ死体にした30代娘が告白する…母から送られ続けた「叱責メール」の衝撃内容
齊藤 彩