『新宿野戦病院』今夜の小池栄子の過激シーンは爆笑必至! 酷評・批判の嵐で脱落した人こそ観るべき理由とは
今夜放送の『新宿野戦病院』(フジテレビ系)第6話。 酷評や批判にさらされまくっているドラマなので、観るのをやめてしまった人も少なくないだろうが、クドカンワールド好きなら第6話は必見だ。途中回をすっ飛ばしてもいいから、今回は絶対観たほうがいい。 脚本家・宮藤官九郎(クドカン)のオリジナル作品で、小池栄子と仲野太賀のダブル主演作『新宿野戦病院』。新宿・歌舞伎町を舞台にした救急医療エンターテインメントである。 物語はアメリカ国籍の元軍医である謎の女医、ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池)が歌舞伎町に現れたところから始まる。 きらめくネオンでごった返す夜の街の片隅に、ぽつんと存在するオンボロ病院「聖まごころ病院」には、やる気がなく腰掛けで勤務している美容皮膚科医・高峰享(仲野)ら、クセモノの医師や看護師が在籍。 しかし、病院には享の叔父で院長の高峰啓介(柄本昭)しか外科医がいない。啓介は年老いたアル中のため、病院は存続の危機に瀕していたが、そこにヨウコが現れて――というストーリー。 「聖まごころ病院」の救急外来に訪れるのはホスト、風俗嬢、トー横キッズ、路上生活者、在留外国人などワケありな患者ばかりだが、ヨウコや享は、治療を通じてそんな彼・彼女らの人生にかかわり、救っていく。歌舞伎町の濃くて深い人間模様を描いたドラマだ。 ■脱落者続出? 視聴率は右肩下がり! 人気脚本家であるクドカンの最新作ということで、放送前の期待値が高かった本作。だが、放送が始まると、おもしろいと絶賛する意見も多いが、酷評や批判の意見も負けじと多かった。 コントっぽいドタバタ劇がつまらなくて笑えないという声や、歌舞伎町や登場人物の抱える問題の描き方が浅いという声、ほかにも小池演じるヨウコは英語ネイティブの設定なのに発音がひどいといった声など、さまざま。 それは視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)にも如実に表れており、基本は右肩下がりで、よくて横ばいという状況になってしまっている。 第1話 世帯7.9%/個人4.5% 第2話 世帯7.1%/個人3.8% 第3話 世帯6.4%/個人3.6% 第4話 世帯6.4%/個人3.6% 第5話 世帯5.7%/個人3.1% しかし、そういった酷評・批判を承知のうえで、クドカンワールド好きなら第6話は必見だと声を大にして伝えたい。 ■小池栄子と生瀬勝久の2人芝居がヤバい! フジテレビ公式動画配信サービス「FOD」有料会員には、毎週1話分先行して配信されているため、筆者は今夜放送される第6話を視聴済み。そこで、ここからは、“ほぼネタバレなし” で第6話のポイントを紹介していきたい。 最大の見どころは、ヨウコがある過激コスチュームに身を包んで登場する約7分間のカオスなシーン。 かつてグラビアアイドルとして人気を博し、数々のバラエティ番組で活躍してきたとはいえ、小池栄子はいまやGP(ゴールデン・プライム)帯でバリバリ主演を任される実力派俳優だ。 そんな現在43歳の彼女が、まだここまで体を張るのかと驚かされたし、なにより小池がかなりノリノリで楽しみながら演じているように見えて、クスクス笑いから始まり、最後は噴き出して大笑いしてしまった。 その過激コスシーンは、享の父・高峰啓三を演じる名バイプレイヤー・生瀬勝久との2人芝居。それまでめちゃくちゃ嫌なヤツとして描かれていた啓三というキャラクターが深掘りされていく。 啓三のヤバくておもしろすぎる性質が明かされつつも、彼の切なく悲しい過去も明かされ、ちょっとホロリとくる展開にもなっていた。それまで嫌味ったらしくてただただ憎らしい役どころだった啓三が、愛すべきイジられキャラに昇華した瞬間だった。 笑わせながらも感動で泣かせにかかる――これこそクドカンの真骨頂だ。 ■終盤で高峰家の新たな衝撃事実が発覚! もちろんほかにも見どころはある。 前述のヨウコと啓三の様子をワケあって享は別室からモニタリングしているのだが、啓三の言動に対してたびたび享が発する「おやじぃ」のバリエーションがいい。 呆れ果てて言い放つ「おやじぃ」もあれば、家族の情を感じて漏らす「おやじぃ」もあり、仲野太賀はその使い分けでいい味を出していた。 また、ヨウコが院長・高峰啓介と愛人の間の子どもで、享と従姉妹だったことはすでに明かされているが、第6話終盤で高峰家の新たな衝撃事実が発覚。最後まで要チェックである。 ――第1話、第2話あたりで脱落してしまった人も多いだろうが、今夜からでも視聴再開してもらいたい。それぐらい第6話はクドカンワールドの醍醐味がつまった回となっている。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中