芥川賞・直木賞作家たちが芝居に挑戦 66年ぶり大阪“文士劇”の舞台裏 濃密な2カ月の稽古で見せた素顔
■人気作家たちが一度限りの舞台のため合宿
本番1カ月前、稽古は山場を迎え、合宿生活を始める作家たちも。 普段は孤独な仕事をしている彼らにとって、これは貴重な機会だ。 黒川さんとともに、文士劇を復活させようと立ち上がったのが、朝井まかてさん。 【朝井まかてさん】「ふと、『文士劇やりたいな』って。みんな『やろうやろう』って。一人でやっている仕事、孤独な仕事だから。たまにはみんなで集まって、わいわいと舞台に立てたらいいな」
■いよいよ本番!66年の時を経て復活
いよいよ本番の日。会場は満席となり、観客の期待は高まる。 舞台裏では、黒川さんが死体役のメイクをしていたところ、舞台スタッフから「黒川さん!まだです!まだです!懐中電灯のシーン」と声がかかる。慌てて顔を拭う黒川さん。 【黒川博行さん】「アホやな…。ごめんね… もう行きます」 ベテラン作家も緊張の面持ちだ。
湊かなえさんは不良少女役でバイクに「乗って!」と叫ぶシーンで会場の笑いを誘う。
朝井まかてさんはセリフを飛ばすハプニングに見舞われるも、「やっぱりやる思いました」と、観客の温かい拍手に迎えられながら再挑戦する場面も。
■「夢のよう」作家たちの新たな挑戦
公演終了後、作家たちは達成感に満ちた表情を見せた。 湊かなえさんは「楽しかった~!やった~! 大成功~!」とよろこび、朝井まかてさんは「なんか夢のよう。嘘みたい。叶う事ならば、あそこだけやり直したい」と振り返った。 66年ぶりに復活した大阪での文士劇。 普段は本でしか接することのできない作家たちの新たな一面を、観客は目の当たりにした。 この経験は、彼らの次なる名作の糧となるかもしれない。 大阪の文化シーンに新たな1ページが加わった瞬間だった。
関西テレビ
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