EV技術で水中翼船も電動化! カンデラC-8 ポールスター・エディションへ同乗 航続距離105km
カーボン製の船体 船底に固定される船外機
船体はカーボンファイバー製。全長は8500mm、全幅は2500mmもあるが、重さは1750kgしかない。 船外機はC-ポッドと呼ばれるもので、これはカンデラのオリジナル。従来のエンジン船外機は船尾に載り、プロペラが水中まで伸び、ボートを推進させる。だがこれは細長い潜水艦のような形で、船底からぶら下がるように固定されている。 内部には2基の電気モーターが搭載され、二重反転スクリューを回転させる。合計の最高出力は68psと、さほど高くない。1基のモーターで同じ仕事量を得るより、高効率なのだという。 またC-8は、電気的に操舵されるバイワイヤ方式ラダーや、センサーのデータを元にボートの進路や位置を毎秒100回制御する、「フライトコントローラー」も実装。操縦席にはステアリングホイールが備わるが、そこには15.4インチのタッチモニターもある。 駆動用バッテリーの充電量は、スマートフォンのアプリでも確認できる。アップル・「ボート」プレイは、提供されていないけれど。 C-8は元々スタイリッシュだが、ポールスター・エディションでは、ソリッドグレーの船外塗装に、ポールスターと同じシート素材、ゴールドの差し色などでコーディネート。ルーフはフルオープンの他、Tトップとハードトップが用意される。 英国価格は、40万ユーロ(約6600万円)から。ハイパーカーと同じくらいの値段だ。
電動水中翼船から派生したアイデアがクルマへ?
電動ボートの需要は上昇基調にあり、カンデラ社は短期間でこの分野の主力メーカーへと躍進した。バッテリーEVの電動技術を活用しながら、一層の成長を目指している。 ポールスターも、他社との協業には意欲的だ。カーボンニュートラルな自動車開発を進めるポールスター0プロジェクトの一環として、複数の企業とパートナーシップを組んでいる。電動モビリティのアイデアや技術、哲学の共有を図るために。 水陸両用車を、ポールスターが発売することはないかもしれない。とはいえ、電動水中翼船から派生したアイデアが、バッテリーEVへ展開される可能性は充分にあるだろう。
カンデラC-8 ポールスター・エディション(欧州仕様)のスペック
欧州価格:40万ユーロ(約6600万円) 全長:8500mm 全幅:2500mm 全高:-mm 最高速度:55km/h 0-100km/h加速:-秒 航続距離:105km 電費:-km/kWh CO2排出量:- 船体重量:1750kg パワートレイン:ツイン永久磁石電気モーター 駆動用バッテリー:64kWh 急速充電能力:135kW 最高出力:68ps 最大トルク:-kg-m ギアボックス:ダイレクトドライブ
ジェームス・アトウッド(執筆) 中嶋健治(翻訳)