「2000万円は架空貸し付け」 長崎・大石知事の政治資金問題で後援会関係者 県議会集中審査
長崎県の大石賢吾知事の政治資金問題を巡り、県議会総務委員会は30日、集中審査を続行。2022年知事選で大石氏が自らの後援会に2千万円を「架空貸し付け」したとされる疑惑について、参考人として出席した大石氏の後援会関係者は、貸し付けが「架空」だったと証言した。大石氏はこれまで会計処理上のミスと説明しており、矛盾が浮き彫りとなった。一方、大石氏はこの日の審査でも同様の説明を繰り返し、架空貸し付けを否定した。 大石氏は県医師信用組合から2千万円を借り、知事選の収支報告書の収入欄に「自己資金」と記入。一方で、後援会の22年政治資金収支報告書にも自らが2千万円を貸し付けたと記載し、返済金の一部計約655万円を受け取り、返済金目的の架空貸し付けではないかと指摘された。大石氏は7月に「二重計上」の誤りだったと表明し、その後返済金を全額返還した。 関係者は22年4月から後援会に勤務。県庁別室から音声のみのリモートで集中審査に出席した。23年3月下旬に後援会事務所で収支報告書を作成した際、大石氏の選挙コンサルタントから同席者へ電話で「2千万円を架空で貸し付けとして処理するよう連絡があった」と証言。関係者は「貸し付けは虚偽。選挙コンサルが提案し知事が了承した」と述べた。 また、医療団体の寄付計286万円が大石氏側に流れた「迂回(うかい)献金」疑惑についても審査。29日の審査で大石氏が知事選時に資金移動を認識していた旨を記した今年6月のメールの文面が提出されたことについて、大石氏は「記憶が混同していた」と改めて釈明。「選挙時は知らず、知ったのは22年12月ごろ」と従来の見解を述べた。 総務委は選挙コンサルに出席を要請したが欠席。委員は大石氏に「事実を精査するべきだ」と指摘し、大石氏は「努力は続ける」とした。総務委は11月11日に開き集中審査を総括する。