【ライブレポート】Gero夏ツアー大阪で終幕!「次は日本武道館」ファンとの再会を誓う
Geroが9月16日に大阪・Zepp Osaka Baysideでワンマンツアー「Live Tour 2024『火花』」の最終公演を開催した。 【ライブ写真】ツアーファイナル大阪公演で18曲を熱唱したGero 2008年にニコニコ動画への歌ってみた動画の投稿で活動を開始し、2013年にメジャーデビューしたGero。その後はアニメ主題歌を担当したり、「めざましテレビ」のレポーターを務めたりと活躍の幅を広げてきた。今年8月には、2025年2月26日に東京・日本武道館で単独公演「さようなら、武道館」を開催することを発表。その前哨戦とも言うべき今回のワンマンツアー「火花」は8月3日の北海道・Zepp Sapporoを皮切りに6都市のZepp会場で開催され、千秋楽となる大阪公演には超満員のファンが押しかける事態に。開演時間ギリギリまで「今一度、一歩前に進んでください」などとアナウンスが流れるほどの盛況ぶりだった。 重厚なオープニングSEが流れる中、会場が暗転。ステージの後方に用意された「火花」と書かれたセットが光を放ち、フロアではGeroのイメージカラーとして定着した緑色のペンライトが大きく踊る。ライブへの期待が熱気となり場内に充満しているところに、Gero BANDのメンバー、そしてGeroが登場。割れんばかりの歓声を浴びたGeroは2013年のメジャーデビューシングル曲「BELOVED×SURVIVAL」でライブをスタートさせた。ライブ冒頭からアクセル全開のGeroは「大阪! もちろんいけるよね! 地元!」と拳を掲げて狂騒を誘う。「アンチェインゲイザー」になだれ込むと観客がジャンプを繰り返してフロアが振動。ファンの興奮を誘うかのようにレーザーが派手に飛び交い、CO2が吹き上がる中、Geroの強烈なハイトーンシャウトが場内に響きわたった。また3曲目「名古屋のデブ」は、「大阪のデブ」にアレンジされた内容に。Geroは力強く煽るのみならず、ダンディ坂野の持ちネタ「ゲッツ」のコール&レスポンスも織り交ぜながら自然に声を出せるような呼びかけも繰り返し、観客の緊張を解きほぐした。 ライブ中盤、Geroはダークな「シャンティ」でクールにラップを披露し、続くエモーショナルなロックチューン「ドーナツホール」では海賊王(G)のギターソロがフロアを沸かせる。またこのツアーでは日替わり楽曲のコーナーがあり、千秋楽ではGeroが作詞作曲を手がけた「you」が選ばれた。この曲はGeroが歌い手の湯毛に向けて書いた楽曲。Geroは湯毛の親が経営する大阪・天王寺区の寺田町にある「焼肉工房炭炭亭」の名前を出し、「このあとごはん食べに行ってな!」とファンに呼びかけた。「you」はかなりひさしぶりの披露だったそうで、Geroは「今日のために練習してきました。ありがとうございました」と照れ臭そうに笑いながら話した。 熱いパフォーマンスもGeroの魅力ならば、フレンドリーなトークもGeroのライブの魅力。来場者の中には中学生や未就学児などの若い世代の来場者もおり、38歳であるGeroと同年代かそれ以上のファンの姿も。自分よりも若い世代のファンが多いGeroは「みんな一緒に年を重ねる。今5歳とか6歳の子が『うどん』を聴いたら、将来どうなるのかな?」とコミカルな代表曲を引き合いに出しつつ、奔放なトークを展開した。 ライブ後半、Geroはハートマークを両手で作って振るというファンシーな振付のダンスを観客に指南。この振付は自然発生的に生まれたものらしく、「考案者は不明」と話したGeroだったが、振付を教えているうちにいつしか、「俺もいつかいなくなる」と死生観にまつわる話題になり、「これからもみんなの心に俺がいるように」と話が脱線していく。あまりの脱線ぶりに思わず笑ったGeroは振付を観客に改めて教えてから、夏らしいロックチューン「あぶらかだぶらぶらぶらぶサマー」を投下した。その後、ダウンチューニングのギターから繰り出される重厚なギターリフと、突き抜けるようなGeroのハイトーンボイスが映える鬱P提供によるラウドロックチューン「しゃよう」で激しい盛り上がりを見せるZepp Bayside Osaka。ギターソロとドラムソロを交えたアレンジも光り、ライブならではの熱気で場内が満たされる。ぐんぐんと興奮の度合いが高まっていく中、Geroは「まだやってない曲あんだろ!」と、ラストに代表曲「うどん」を叩き込んだ。 アンコールではまずバンドメンバーがステージに上がり、自己紹介を行った。ほどなくしてステージに戻ったGeroは、大歓声を受けて「このために生きている」と感慨深げな様子。続けて「初めての人も、いつも応援していただいている方もありがとうございます。皆さんの声にアンコールでお返ししましょう」と述べ、「今日は何曜日ですか?」と唐突に投げかける。この日が月曜日だったためフロアがざわついたが、「明日は何曜日かな? 明後日は何曜日かな?」と観客に質問を繰り返し、「木曜日の次は?」の問いに盛大な「金曜日!」の声がこだまする。そしてGeroはHoneyWorks提供による人気曲「金曜日のおはよう」を届け、観客を笑顔にさせた。さらにこのツアーの札幌公演よりリハーサルなしのぶっつけ本番で演奏している曲だというめいちゃん「小悪魔だってかまわない」のカバーを披露したGero。若干のつたなさはありつつも、バンドのアットホームな雰囲気が伝わる演奏に大きな歓声が沸き起こった。ラストナンバー「The Bandits」では銀テープが噴射され、この日の熱狂はピークに。Geroは手を掲げ、渾身の歌声を響かせ、その熱に呼応するように観客は盛大なシンガロングで盛り上がった。ライブの楽しさが詰まったあっという間の約2時間、会場をあとにする観客の表情がその満足度を物語っていた。 なおGeroはライブ中、来年2月の日本武道館公演に約1万7000もの応募があったことを発表。そしていつか大阪・大阪城ホールでもライブを行いたいと自身の夢を語った。さらに「夢は大きくね。普段あまりカッコつけたこと言いたくないタイプなんやけど、中学時代にSEX MACHINEGUNSの日本武道館公演のVHSを擦り切れるほど観ました。その同じ場所に、金城(Geroの本名)少年が立つんですね」と感慨深げな顔を浮かべつつ、「16年くらいかかってもうた! もう機は熟したやろ! お前ら、今日みたいに武道館、ぶちかましたろうぜ!」と呼びかける。「生きて会おうな、健康でおれよ。次は日本武道館です。大阪、最高の夜でした。ありがとうございました!」と、ファンとの再会を胸にツアーファイナルを締めくくった。 ■ セットリスト □ Gero「Live Tour 2024『火花』」2024年9月16日 Zepp Osaka Bayside 01. BELOVED×SURVIVAL 02. アンチェインゲイザー 03. 名古屋のデブ 04. 爆笑 05. シャンティ 06. ドーナツホール 07. you 08. neon 09. Love-Letter 10. Unlocked 11. アンノウン・マザーグース 12. ヴィータ 13. あぶらかだぶらぶらぶらぶサマー 14. しゃよう 15. うどん <アンコール> 16. 金曜日のおはよう 17. 小悪魔だってかまわない 18. The Bandits ■ 公演情報 □ さようなら、武道館 2025年2月26日(水)東京都 日本武道館 記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正します。