父親の看取りが近づいてきたとき、やっておいたほうがいいことって?【人生相談・アンナ流】
時代にこびることなく、いつでも自分の思いを貫いて生きてきた梅宮アンナさん。オトナサローネのインタビュー記事には「いちばん聞きたかった『大丈夫』という言葉がうれしかった」「わが家もなんとかなるかもしれないと勇気が出ました」など、たくさんの声が集まりました。 【画像】意外すぎる!アンナさん そんなアンナさんに、40代50代働く読者のみなさんから寄せられたお悩みを相談します。今回は「親の看取りを控えた」女性の悩み。
悩み/父親を見送る前にやっておいたほうがいいことって?
45歳、父82歳母75歳です。姉が1人います。アンナさんが相続のお話で出演したTV『しくじり先生』を見ました。老人施設に入っている父の体調がおもわしくなく、そろそろさよならを言う日がくるなと思っています。 アンナさんは相続で大変な思いをしたとのことですが、あとから振り返って「これだけは絶対もっと早くからやっておくべきだったこと」はありましたか?教えてください。
アンナさんの答え/さよならの準備はなくていいと思いました。でも、いままでどこに住んでいたのかだけは聞いておいて
私はパパと、もっと会話したいこと、聞きたいことってあったかな。たぶん、あまり意識しすぎず、普段通りの普通の状態で過ごしていいのだと思います。 というのも。相続が大変とよく言われますし、実際10か月で終わらせないとならなくて、その瞬間は作業が一度にわっとくるから「前からもっとやっておけばよかった!」とも思いました。でも、あとから「それがわかったからといって、前から対応しておくのも変な話だな」と思いなおしたのです。パパとの時間をじっくり過ごすほうが大切だったなって。
お別れのことって、知識があればいいというものでもない
私は知識のないまま相続に立ち向かいましたが、知識がないからこそ必死でできた部分もあるので、これでよかったんじゃないかなって思っています。そんな中で、これだけは聞いておいたほうがいいのは「お父さんが生まれたときから死ぬまでどこに住んでいたか」。つまり住民票と本籍地の移動を聞いておくことです。もし相続対象の資産があれば、お父さまの出生から死亡まで連続した戸籍を集める必要があるからです。 でも、わが家はパパがママと結婚する前にどこに住んでたかなんてママも知らないし、じゃあ兄弟に聞こうと連絡を取ったら、パパの妹に聞くよりもTV番組の『ファミリーヒストリー』に聞きなさいよって言われて(笑)。2015年にパパが出演したので、そのときの制作会社さんにお話を聞かせてもらいました。芸能人の裏技ですね。 パパはハルピンからの引き揚げの時代に東京にきて、水戸から会津若松に引っ越していました。それも知らなかったし、芸能界に入ってからは港区に2回3回住んでいましたが、これはママと住んでいるけどこれはきっと違う人と住んでたんだなって、深掘りしたくないことも出てきて(笑)。というわけで、このような移動歴は、相続をするなら知っておいたほうがいいです。 戸籍をさかのぼっていくと、戦争や震災で焼失してそろわない、なんてこともあるので、やってみないとわからない。これは、ほかに相続の対象となる子どもがいるかいないかを確認する意味もあるので、はっきり言っていやな作業でした。私はきっとほかに子どもがいるだろうと思っていたので、逆に誰もいなくてびっくりしました。この点も、奥さん、つまりお母さんがいないとこでこっそり聞いておいてくださいね。 なお、こうした調査は司法書士さん、税理士さんにお願いすることができますし、今後は2024年をめどに戸籍がどこからでも取れるようになるそうです。
オトナサローネ編集部 井一美穂