標高4,600mで始まるキャンプ生活、登山道のない山 【日本山岳会ヒマラヤキャンプ登山隊2023撮影記】#6
新たなキャンプの設置と今後の計画
偵察山行では、今後の登山のためにどこにキャンプを置くのかも検討しながら進む。私たちはひとつ目のキャンプとして標高約5、100m地点にキャンプ地を設定した。氷河湖の脇で水がとれる平坦地だ。今回はその後もキャンプ地を上げる予定がありTC1(テンポラリーキャンプ)という一時的なキャンプを置くことにした。18日にTC1への荷上げを行ない、20日にそのさらに上部のキャンプ地の偵察を行ない、順応も兼ねてTC1に設置したテントに泊まった。標高5、000mを超えての初めての宿泊となり、軽い頭痛や眠気などの高山病の症状がメンバーそれぞれに少し出ていたが体調には問題はなかった。 ある程度先へ進む目処がたち一旦ベースキャンプへ下り休息をとった。今回の遠征は、花谷さんのスケジュールにリミットがあった。27日にはベースキャンプを去らなければならなかったため、それも踏まえ登山計画を練った。なんとか花谷さんがいる間に1回目のアタックができそうだということになり、22日からゴーアップを行なうことでまとまった。 ルートとしては想定していたルートではなく、前衛峰を越えて回り込むルートになった。どこまで行けるのか、標高や氷河がどう影響するのか、体調面は好調にいけるのか、不安とわくわくが入り混じった気持ちを抱えながらゴーアップの日を待った。 次回は、いよいよシャルプーⅥへの最初のトライをお伝えします。すんなりとは行かせてくれない未踏峰の難しさに直面します。
PEAKS編集部