大分県の「臼杵城跡」国史跡に指定へ…大友宗麟が築城後、稲葉氏ら拡張「城郭の変遷を物語る重要な遺跡」
国の文化審議会が20日に行った答申で、大分県臼杵市の「臼杵城跡」が国史跡に指定される見通しとなった。「明治期の廃城まで利用された城郭の変遷を物語る重要な遺跡」だと評価された。指定されれば、国史跡としては県内で48か所目となる。 【写真】臼杵城跡で行われた火縄銃の演武
臼杵市教育委員会などによると、臼杵城跡は1556年、戦国大名の大友宗麟によって臼杵川河口の丹生島に築城された。築城当初は西側が主郭だったと考えられるが、大友氏の後に入城した太田一吉が城郭の石垣化を進めたことで島東側が本丸となり、島の外側に三の丸が築かれた。関ヶ原の戦い後に入った稲葉氏の大改修でも三の丸が拡張されるなどした。
市教委は「歴史的価値を理解した上で確実に保存活用し、市民に愛され、永遠に守り伝えたいと思われる史跡にしたい」としている。
審議会は県内でこのほか、宇佐市の国史跡「小部遺跡」の区域を約2300平方メートル広げる追加指定も答申。竹田市の久住高原の南端部にある「納池」を名勝に、豊後高田市の「穴井戸観音」を登録記念物(名勝地関係)に指定するよう求めた。