投資の神様ウォーレン・バフェットが3000億ドル以上の現金を蓄えた理由(海外)
注目株
ウィルシャー5000のデータによると、アメリカ株式市場の時価総額は11月11日時点で過去最高の58兆1300億ドル(約9100兆円)を記録し、それが前四半期のアメリカにおける国内総生産(GDP)に占める比率は198.1%という前例のない水準に達した。この比率は、バフェットが「評価の指標として極めて優れている」と称賛したことから、「バフェット指標」として知られている。 バフェットは、この指標がドットコムバブル時に急騰した際、「非常に強い警告信号」として捉えるべきだったと述べ、これが200%に近いときに株を買うのは「火遊びのようにリスクの高い行為」だと述べた。 B. Riley Wealth Managementのチーフ投資ストラテジストであるポール・ディートリッヒは、ウィルシャー5000がこれほどまでに高騰しているのは「現在の株式市場が史上最も過大評価されていることを示している」とBusiness Insiderに語り、「2001年から2002年にかけてのテックバブルのピーク時よりもさらに高い」と続けた。 それを考えると、バフェットが直近の四半期にバークシャーの株をひとつも買い戻さなかったことは、さほど驚くべきことではない。2022年初めから2024年6月30日までの間には200億ドルを投じて自社株を買い戻していたが、もはやバフェットと彼のチームは、バークシャー株を割安とは見なしていないのだろう。 チームはバークシャーの株式ポートフォリオの縮小も進めている。今年最初の9カ月間で、シティグループ(Citigroup)の時価総額を上回る1330億ドル(約21兆円)の株式を売却し、同期間で購入したのは60億ドル(約9360億円)以下にとどまった。 さらに同期間中、保有株の中で最も価値の高いアップル株を60%削減し、その次に多く保有するバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)株については7月中旬から10月上旬にかけて23%削減した。 買いの減少と売りの増加により、9月30日までの9カ月間でバークシャーの現金保有高は140億ドル(約2兆1800億円)以上増加した。
継承の準備
バークシャーの現金保有高がこれほど膨らんだことには、別の理由も考えられる。バフェットは5月、アップル株の多くを売却する決断をしたのは、キャピタルゲイン税率引き上げの可能性があったからだと示唆した。だが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)が再選されたことで、当面の間、増税は回避されると予想されている。
Theron Mohamed