投資の神様ウォーレン・バフェットが3000億ドル以上の現金を蓄えた理由(海外)
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの現金保有高が3000億ドルを越え、過去最高を更新した。 著名な投資家であるバフェットは、自社株買いを停止したことに加え、アップルやバンク・オブ・アメリカなど保有していた主要な株を削減した。 94歳のバフェットは、バークシャーの経営権を譲る準備をしているのかもしれない。 バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)CEOは、驚くべき速さで株を売却し、現金を積み上げている。世界有数の株式投資家がなぜ市場から資金を引き揚げているのかさまざまな憶測が広がっている。 バークシャー・ハサウェイは、過去2年間で、現金、短期国債など、流動資産の保有額を約3倍に増やし、その額は2024年9月30日時点で過去最高の3250億ドル(約51兆円)に達した(短期国債購入のための買掛金約150億ドルを差し引いた場合でも3100億ドル)。これはわずか10年程前のバークシャーの時価総額を超えている。直近の四半期末時点で、バークシャーの資産総額1兆1500億ドル(約180兆円)の少なくとも27%を占めており、ここ数年で最大の割合となっている。 同社の現金保有高が膨らんでいる大きな理由は、魅力的な投資対象が見当たらないことだ。バフェットは割安株の発掘を得意とするバリュー投資家だが、近年ではそうした掘り出し物を見つけることは稀になっている。 デラウェア大学のワインバーグ企業統治センターのディレクターで、バフェットとバークシャーに関する著書も多いローレンス・カニンガム(Lawrence Cunningham)は、バークシャーの現金保有に関してBusiness Insiderにこう語っている。 「『終末の日』に備えて資本を蓄えているとか、巨額の現金配当を計画しているとか、ありとあらゆる憶測を耳にしてきた。だがどれも現実離れしている。バークシャーが現金を貯め込む理由としていちばんもっともらしいのは、魅力的な投資の機会が見つからないことだろう」 株価が過去最高値を更新していること、非上場企業の評価額が急上昇していること、ガイコ(Geico)やシーズ・キャンディーズ(See's Candies)といったバークシャー傘下の企業が展開できる資金には限りがあること、バークシャーのクラスA株が過去最高の約70万ドル(約1億1000万円)まで高騰したことが、魅力的な投資機会の欠如つながっているとカニンガムは説明している。