【高校野球】広陵高校野球部関東OB会を開催 2017年夏準V時主将はJPアセット証券野球部GMに
「中井先生は本当の父のような存在です」
2017年夏。甲子園準優勝を遂げた際の主将・岩本淳太さんは広島・中村奨成、ENEOS・丸山壮史、日本通運・平元銀次郎と同級生。岩本さんは初めて同OB会に足を運んだ。 「初めて会う先輩ばかりでしたが、しっかりとあいさつをさせていただきました。若い世代にとっては、貴重な場となりました」 広陵高では本格派右腕として期待されたが、右肘を痛め、2度の手術を受けるなど、故障の連続だった。3年春、選手として一区切りしようと、中井監督に相談するタイミングで、主将の打診があった。プレーヤーとしては力になることはできないため、運営面でサポート。背番号18の主将は中井監督から全幅の信頼を受けた。中村奨成がヒーローに駆け上がった夏、広陵高は「岩本のチーム」だった。 3年秋にトミー・ジョン手術を受け、上武大入学後もリハビリに明け暮れた。関甲新学生リーグの登板は2試合。JPアセット証券では、入社1年目の都市対抗二次予選に登板した。投げられたのは半年のみで、その後は手術を受け、リハビリ生活。入社2年を終え、ユニフォームを脱ぐ決断をした。同社専務で野球部GMの福原俊平氏の下、GM補佐として活動しようとした矢先、福原GMが急逝。24年から岩本さんがGMとしてチームを動かす。 昨年末、中井監督の自宅へ、現役引退とGM就任の報告をしに行った。年が明けると「良い年にしましょう。いろいろなことに挑戦してください」とメールが入った。「困ったことがあれば、いつでも連絡してこい! と言われています。小学生のときに父を亡くしており、中井先生は本当の父のような存在です」。24歳。チーム強化へ、あらためて決意を語る。 「2月10日から千葉・千倉でキャンプに入ります。一からのチームビルディングとなり、選手たちにも会社における野球部の役割、野球部としての方針を、選手にしっかりと説明していきます。2024年の目標は都市対抗初出場。今年から新たにHondaさんが参入し(二次予選は)8分の4(8チームのうちで4代表)という厳しい戦いになりますが、東京第1代表を目指して頑張ります。これから東京のチームとして活動していきますので、野球以外の面でも、この広陵のタテと横の関係をさらに大事にしていきたいと思います」 OB会は親睦だけでなく、現役高校生の支援も目的としており、センバツに向けて強力サポートを約束。広陵の絆は、一生ものである。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール