買った葛根湯に「セルフメディケーション」の文字が。これって一体どういう意味?
薬局やドラッグストアなどで販売している薬のなかには、その箱などに「セルフメディケーション」と記載されているものがあります。「セルフメディケーション」と書かれている薬を購入した場合、一定の条件を満たしていれば所得控除を受けることが可能です。 そこで、この記事では、セルフメディケーションの意味や「セルフメディケーション」と書かれている薬を買って所得控除が受けられる条件などについてわかりやすく紹介します。
セルフメディケーションとは
世界保健機関(WHO)の定義では、セルフメディケーションとは「健康の責任はその人自身が持ち、体の不調の程度が軽かったときには自分でその処置を施すこと」とされています。 国民一人一人が自ら進んで健康管理を行い、病気を予防し、医療費が適正に使われることにもつながるセルフメディケーションは、日本でも推進されている取り組みです。 セルフメディケーションの具体的な方法には生活習慣の見直しやOTC医薬品と呼ばれる市販薬の活用などがあり、市販薬の活用を推進するために「セルフメディケーション税制」が制定されました。 セルフメディケーション税制は、一定の条件を満たしていて、確定申告を行えば、所得控除を受けられる制度です。ちなみに、OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアなどで薬剤師または登録販売者のアドバイスのもと、医師による処方箋なしで買える医薬品を指します。
セルフメディケーション税制を利用できる条件とは
セルフメディケーション税制を利用するためには下記の4つの条件をすべて満たしていなければなりません。 ●住民税や所得税を納めている 確定申告の申告者が市民税や県民税などの住民税や所得税を納めている ●対象となる健康診断などを受けている セルフメディケーション税制は国民の自発的な健康管理や病気予防などを推進することを目的に制定された制度です。そのため、それらに対する取り組みを行っている人が適用対象者となっています。 具体的には、市区町村や健康保険組合などが行っている健康診査、会社で従業員などに対して実施している事業者健診、予防接種などの特定の取り組みのうち1つ以上を、確定申告の申告者が申告対象となる年に受けていることが必要です。 ●OTC医薬品の年間購入額が1万2000円を超えている 確定申告を行う申告者とその家族が購入したOTC医薬品の合計額が1万2000円を超えていることも制度を利用するための必須条件です。家族とは申告者と生計を一にする配偶者や子どもなどの親族を指します。 合算できるのは確定申告をする年の1月~12月に購入した、税制対象となっているOTC医薬品です。税制対象の医薬品であるかどうかは、買ったときに発行されるレシートで確認できます。また、医薬品の箱などにセルフメディケーションの対象であることを示すマークが印刷されていることもあります。 ●現在施行されている医療費控除の制度を利用していない セルフメディケーション税制は医療費控除の特例制度です。そのため、セルフメディケーション税制と医療費控除を併用することはできません。いずれか1つを自分で選択して利用する必要があります。