若者にまん延する大麻…「そんな悪いものじゃない」 “マトリ”に密着取材 覚醒剤へのゲートウェイ
■構造を少し変えれば… 規制との“いたちごっこ”
“大麻由来”の成分が人気を集める一方で、大麻グミで大きな問題となったのが大麻の“類似成分”HHCHです。 厚生労働省は、HHCH など複数の合成化合物を指定薬物として規制したが、構造を少し変えるだけで同様の化合物が作れるため“いたちごっこ”の状態が続いている。
SNSで販売している業者 「(今回の規制)僕はあんまり痛くないですね。合法のなかで、他の商材を選んでいくようなカタチになるかと思います」 「使用している人は、違うものを買うのはもちろんですけど、違法品に戻っちゃうみたいな人も逆にいるんじゃないかってちょっと思っていますね」
■大麻とは「たばこと同じくらいかもしれない」
若者たちにとって、「大麻」とは―――。「たばこと同じくらいかもしれない、感覚で言ったら。別にそんな悪いモノじゃないっていう認識に近くなってきているんじゃないかな」と話した。
なぜ、若者の間で”大麻”が広がっているのか。 松本俊彦氏(国立精神・ 神経医療研究センター薬物依存研究部長) 「時代の潮流とかファッションとか、例えば憧れのミュージシャンとかがどんな薬物のことを言及しているかっていうこともすごく大事になってきて、そういう若者たちのカルチャーで大麻というものの価値があがっている、注目されている」 「それが現在の若者たちと大麻との結びつきを強めている可能性はある」
■「依存性はないと一部では言われているけど」
私たちは、16歳の時から大麻を吸っていたというゆうとさん(仮名・30歳)を取材しました。 ゆうとさん(仮名) 「(吸った回数は)もう何千、何万と。数え切れないっす。依存性はないとかって一部では言われているけど、生活の一部みたいになるとやめられない」 大麻だけでなく、シンナーや危険ドラッグも乱用するようになったという。 ゆうとさん(仮名) 「周りが“誰々が捕まった”とか“誰々がまた捕まった”とか。やめるって決めてからの1か月間が地獄で、めちゃくちゃきつかった」
ひと月で20万円を大麻に費やすこともあったという。 ゆうとさん(仮名) 「ぼくの場合は仕事のストレスが 1番大きかったんですけど。人間関係とかですね」 「結構つらかったですね、一回自殺未遂しました」 26歳のときに大麻取締法違反の容疑で逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた、ゆうとさん。これ以降、大麻と縁を切っている。