東北清酒鑑評会、優等賞に12製造場の16点 本県、県別で3位
国税庁仙台国税局は11日、2024年東北清酒鑑評会の結果を発表した。山形県内酒蔵の優等賞受賞数は吟醸酒、純米酒の両部門で計12製造場16点になり、県別で3位の成績だった。最優秀賞、評価員特別賞の受賞はなかった。昨夏の猛暑の影響で酒米が溶けにくく、醸造に苦慮した酒蔵が多かった。 各県の出品数や優等賞獲得数は表の通り。本県から優等賞を受けた製造場数、点数は、吟醸酒の部が10場12点になり、点数、場数とも2位に入った。純米酒の部が4場4点で、共に5位だった。本県酒蔵が最優秀賞、評価員特別賞を逃したのは20年以来4年ぶり。 同鑑評会は全国トップ級の醸造技術を持つ杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)の所属する東北各県の酒蔵が出品し、レベルが非常に高い鑑評会として知られる。今年の出品酒に関し、仙台国税局は「米が溶けにくい年だったが、各蔵が工夫して対処し、香り、味とも素晴らしい酒に仕上がった」と総評した。
吟醸酒については「果実を思わせる華やかな香りと、滑らかで膨らみのある味わいが調和した酒がそろった」と講評。純米酒は「多様な原料米が使われ、酸味やうま味に特徴のある個性豊かで味わい深い酒になった」と分析した。 今回は東北6県で23酒造年度(23年7月~24年6月)に醸造された清酒が対象で、大半が冬に造られて半年ほど熟成された。吟醸酒の部に122場136点、純米酒の部に122場138点が出品された。 審査は予審、決審の2回に分けて10月に行われ、研究者や技術者ら延べ35人(外国人2人を含む)が品質評価員を務め、味や香りなど酒造技術を総合的に審査した。最優秀賞は吟醸酒の部が西田酒造店(青森市)、純米酒の部が寒梅酒造(宮城県大崎市)だった。 ◇本県の優等賞受賞製造場(かっこ内は所在地と代表銘柄) ▽吟醸酒の部=秀鳳酒造場(山形市、秀鳳)出羽桜酒造山形蔵(山形市、出羽桜)米鶴酒造(高畠町、米鶴)亀の井酒造(鶴岡市、くどき上手)冨士酒造(同、栄光冨士)酒田酒造(酒田市、上喜元)東北銘醸(同、初孫)松山酒造(同、松嶺の富士)小屋酒造(大蔵村、花羽陽)高木酒造(村山市、十四代)