FRB金利政策への予想からビットコインは伸び悩み──米国消費者物価指数の発表を前に
約3週間前、米国連邦準備制度理事会(FRB)は50ベーシスポイントの大幅な利下げを実施し、多くのアナリストはこれを今後のさらなる緩和を示唆するものと解釈した。この動きにより金融市場全体に楽観視する波が押し寄せ、アナリストは年末までに75ベーシスポイントの追加利下げと、現在約6万3000ドル(約926万円、1ドル=147円換算)のビットコイン(BTC)の価格が10万ドル(約1470万円)に達すると予測している。 先週発表された米国の雇用とPMI(購買担当者景気指数)のサービス部門における報告の数値が予想を上回ったことで、トレーダーはより大規模で迅速な利下げに対する強気の予想を見直さざるを得なくなり、この高揚感は打ち砕かれた。 トレーディングプラットフォームであるペッパーストーン(Pepperstone)のシニアリサーチストラテジスト、マイケル・ブラウン(Michael Brown)氏が追跡したデータによると、トレーダーは現在、11月と12月の緩和幅を50ベーシスポイント未満と見込んでいる。この数字は、年末までに0.25ポイントの利下げまたは0.5ポイントの利下げが示された9月に発表されたFRBのドットプロットチャートと一致している。 米国でのスポットビットコインETF(上場投資信託)の承認に対する楽観的な見方を背景に、トレーダーが 100 ベーシスポイントを超える利下げとビットコイン高騰を予想した年初のことを思い出してほしい。ビットコイン価格は 73000ドル(約1070万円)を超える記録的な高値に達した。その後、市場は下半期において3度の25ベーシスポイントの利下げへと減らした。
米国債や米ドルにも影響
FRBの金利に対して最近行われている予想についてのタカ派的な見直しは、国債にも表れている。現地時間10月7日早朝、米国の 2 年債の利回りは 8 月 23 日以来の最高値である 4% に上昇し、9 月 25 日以来の累計 50 ベーシスポイントの上昇となった。チャート プラットフォームであるトレーディング・ビュー(TradingView)のデータによると、10 年債も 4% の水準に達した。 一方、ユーロを含む主要法定通貨に対する米ドルの為替レートを測るドル指数(DXY)は、1.5%超の上昇で102.62となった。 他の条件が同じであれば、国債利回りの上昇とドル高は、金融引き締めにつながり、暗号資産(仮想通貨)やテクノロジー株などのリスクの高い投資に対する投資家の意欲を低下させることが多い。 現地時間9月18日にFRBが利下げを行った後、ビットコインは強気の買い注文を受け、9月27日までに10%超の値上がりをして66500ドル(約977万円)に達したとCoinDeskのデータでは示されている。それ以降、上昇は停滞し、本記事執筆時点では63000ドル(約926万円)を下回っている。