横浜DeNAラミレス監督の捕手遠隔操作の是非
横浜DeNAのラミレス新監督が、紅白戦、練習試合を通じてベンチから捕手に配球サインを伝達してコントロール、その“遠隔操作”が効果をあらわしている。昨年、最下位に沈んだチームのウイークポイントのひとつが、固定できなかった捕手の問題。嶺井博希(24)、高城俊人(22)、黒羽根利規(28)の3人で回したが、バッテリーエラーは、12球団ワーストの68暴投、11捕逸を数え、勝敗にモロに響いた。 ラミレス監督は、「捕手に求めるのはキャッチングとスローイング。打撃力とベースボールIQは求めない。その部分はベンチから試合をコントロールする」と明言。まずはピッチャーが安心して投球ができてバッテリーミスを減らすことのできるキャッチャーを選び、足りない配球の部分はベンチからのサインでカバーしようという意図を明らかにした。 加えて遠隔操作には、「昨季だけでなく、過去10年以上もキャッチャーはインサイドを要求しきれていない」という内角球を勇気をもって使えなかった配球を改善しようという目的がある。シーズンに入っても、キャッチャーが育つまで、ベンチから配球サインを出し続ける考えだという。 横浜DeNAでは、過去に権藤監督時代にベンチから配球サインを出してチームを優勝に導いたことがある。阪神で、長年チーフスコアラーを務めてきた三宅博さん(現在、岡山商大特別コーチ)によると「、阪神と日本シリーズを戦った千葉ロッテのバレンタイン監督もベンチから配球サインを出していたし、野村克也さんも阪神監督時代はやらなかったが、ヤクルト時代には、ここぞという勝負どころでは、自らがベンチからサインを出していた。プロ野球では、特別珍しいことではない」という。 ベンチからの遠隔操作は、コーチの動きやキャッチャーの目の動きを見ていると、だいたいわかるものだ。 だが、ベンチからの配球サインには功罪がある、と三宅さんは指摘する。